退職給付債務の増減表|勤務・利息・給付・見積変更
期首債務から期末債務へつながる変動を原因別に整理し、費用認識時期や年金資産の拠出と区別します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月28日
期首債務から期末債務へつながる変動を原因別に整理し、費用認識時期や年金資産の拠出と区別します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月28日
最初に押さえる結論と判断規範
期首債務から期末債務へつながる変動を原因別に整理し、費用認識時期や年金資産の拠出と区別する。
退職給付債務は、期末までの勤務に対応する退職給付を割り引いて測定した額です。当期に損益へ計上した費用を期首へ足すだけでは、期末残高を求められません。勤務、時間経過、給付支払、見積りの変化、制度改訂など、債務そのものを動かす原因を分けて調整表を作ります。
年金資産への掛金拠出は資産側の動きであり、従業員に対する確定給付義務の総額を直接同額減らすものではありません。総債務の変動表と、年金資産の変動表を作った後に、積立状況や財務諸表の表示へつなぎます。
単位は万円です。期首債務500、勤務費用30、利息費用10、債務増加方向の数理計算上の差異5、制度改訂による過去勤務に対応した増加12、給付支払20とします。ほかの制度移行、為替変動、特別給付等はありません。各額は適切に測定済みとします。
変動原因 | 債務の増減 | つないだ残高 |
|---|---|---|
期首残高 | ― | 500 |
当期の勤務 | +30 | 530 |
時間の経過による利息 | +10 | 540 |
期末債務は500+30+10+5+12−20=537万円です。5万円や12万円を当期損益へ全額処理しない方針であっても、期末債務の測定から増加額を除くことにはなりません。「損益への未認識」と「債務がないこと」を混同しない点が重要です。
取引 | 退職給付債務 | 年金資産 |
|---|---|---|
企業が年金へ掛金を拠出 | その事実だけでは直接減らない | 増える |
年金が従業員へ給付を支払う | 対応する給付義務が減る | 支払分が減る |
企業が従業員へ直接給付を支払う | 対応する給付義務が減る | 通常、その支払自体では動かない |
例えば期首債務500万円、年金資産400万円の単純な状態で、企業が年金へ20万円を拠出するだけなら、債務500万円、資産420万円です。差額は100万円から80万円へ減ります。債務も480万円へ減らすと、同じ拠出を二重に反映します。ここでは未認識項目その他の変動を考慮しません。
割引率や退職率などの見積りの変更、見積りと実績との差は、数理計算上の差異を生む原因です。一方、給付水準を改訂して過去の勤務に対応する債務が増減する場合は過去勤務費用となります。当期に新しく提供された勤務への対価である勤務費用とも分けます。
数理差異と過去勤務費用では損益処理の開始時期等の定めが異なります。さらに連結と個別では未認識項目の表示に取扱いの違いがあります。債務の増減表が完成したことを、当期費用やその他の包括利益の計算まで終わったことにしません。
期末債務から既知の勤務・利息・支払等を戻せば、数理差異を検算できます。ただし、制度改訂や移管の記録漏れがあると、残余額に別の原因が混じります。実際の期末債務の測定資料と制度の変更履歴を確認したうえで照合します。
本稿は2026年4月1日時点の日本基準によります。確認3問では、増減の符号、掛金と給付の違い、債務と費用の違いを扱います。まず総債務の期首・期末を合わせ、その後に年金資産、損益処理、表示へ進む順番を保ちます。
公認会計士短答式試験 / 財務会計論
退職給付債務の増減表|勤務・利息・給付・見積変更
退職給付債務と費用の見積り
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1. 企業会計基準第26号「退職給付に関する会計基準」
企業会計基準委員会
該当箇所: 第8〜12項、第14〜17項、第21項、第30項(3)
出典を開く数理計算上の差異・債務増加
+5 |
545 |
制度改訂・過去勤務部分の増加 | +12 | 557 |
従業員への給付支払 | −20 | 537 |
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