契約変更の三つの処理|追加注文と累積修正を切り分ける
追加した財の別個性と追加対価の独立販売価格を順に確認し、契約変更の会計処理を選択します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月28日
追加した財の別個性と追加対価の独立販売価格を順に確認し、契約変更の会計処理を選択します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月28日
最初に押さえる結論と判断規範
追加した財の別個性と追加対価の独立販売価格を順に確認し、契約変更の会計処理を選択する。
契約変更は、追加注文の相談を受けたことや社内予算を直したことだけでは成立しません。当事者が契約の範囲又は価格の変更を承認し、強制力のある権利・義務が変わったかを確認します。承認前は既存契約に従います。口頭や取引慣行による承認もあり得るため、書面の有無だけで判断しません。
整理する資料は、変更日、追加・削減する財やサービス、変更対価、変更前の履行状況の四つです。範囲だけ承認され価格が未確定なら、価格変更を変動対価の定めに従って見積もります。価格が決まるまで変更全体を無視することも、営業上の希望額を無条件に取引価格へ加えることも適切ではありません。
確認する条件 | 基本的な処理 | 過去の認識済み収益 |
|---|---|---|
別個の財・サービスが追加され、追加価格も適切に調整した独立販売価格に対応 | 追加分を独立した契約とする | 既存分を一律に再計算しない |
独立契約ではないが、残る財・サービスは移転済み部分と別個 | 旧契約の解約と新契約の締結を仮定して将来へ配分 | 原則として変更日前へ遡らない |
追加分が別個でなく、一部充足済みの履行義務へ統合 | 変更後の累積収益と既認識額の差を変更日に調整 |
まず独立契約の二要件を確認し、それに該当しないときに、残る部分と移転済み部分の別個性を判断します。別の注文書があることや、追加料金を請求することだけで第一の処理を選ぶわけではありません。
既に納入した標準品とは別個の標準品を追加し、追加価格が独立販売価格に対応するなら、追加分は独立契約です。既存顧客への販売で新規獲得手数料が不要になるなど、契約固有の事情に応じた適切な価格調整は考慮できます。通常価格と少し違うという一点で要件を否定せず、調整の理由と金額を説明します。
単位は万円です。独立契約としない変更で、未移転の商品は移転済み商品と別個とします。旧契約の未認識対価60、追加対価40、残る商品5個の独立販売価格がすべて同じなら、残存対価は100、1個当たり20です。値引きの特定配分など、ほかの調整はないと仮定します。
段階 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
残存履行義務へ配分する対価 | 60+40 | 100万円 |
同じ独立販売価格の5個へ配分 | 100÷5 | 1個20万円 |
移転済み商品の再配分 | 対象にしない | 認識済み対価を混ぜない |
60万円の一部が既に入金済みの前受額であっても、未認識の対価なら残存対価へ含めます。入金済みかどうかと、履行済みかどうかは別です。変更後の単価20万円を過去の販売まで遡って当てはめません。
追加工事が既存工事と別個でなく、単一の履行義務へ統合される例です。変更後の取引価格1,200万円、変更日の適切な進捗度50%、既認識収益500万円なら、必要累積収益は600万円、変更日の追加認識額は100万円です。追加対価の全額や、600万円そのものを新たな収益にすると重複します。
残る部分に別個のものと別個でないものが混在する変更では、両方の考え方を組み合わせる場合があります。三つの名称へ無理に一括するより、変更対象を分けて対応させることが先です。
変更は承認済みか。独立契約の二要件を両方満たすか。満たさない場合、残る財は既移転部分と別個か。この順番を説明できれば、計算式を選びやすくなります。本稿は2026年4月1日時点の日本基準に基づく学習例で、設例の進捗は合理的に測定でき、税金その他の収益調整はないとします。
公認会計士短答式試験 / 財務会計論
契約変更の三つの処理|追加注文と累積修正を切り分ける
顧客との契約と履行義務
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1. 企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」
企業会計基準委員会
該当箇所: 第28〜31項
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