外貨建満期保有債券|償却原価と為替差額を切り分ける
外貨で計算した償却原価を期末相場へ換算し、期中償却額の平均相場換算と為替差損益を別に測定します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
外貨で計算した償却原価を期末相場へ換算し、期中償却額の平均相場換算と為替差損益を別に測定します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
外貨で計算した償却原価を期末相場へ換算し、期中償却額の平均相場換算と為替差損益を別に測定する。
外貨建の満期保有目的債券に償却原価法を適用する場合、まず外貨建てで当期の償却額と期末償却原価を計算します。そのうえで、期末償却原価を決算時の相場で円換算します。取得時の円貨額へ外貨の償却額だけを足して期末残高とすると、元本部分の相場変動を落としてしまう。
当期償却額は期中平均相場で換算し、利息の調整項目として処理します。一方、期末償却原価の円価と従来の円貨簿価との差には、償却部分と為替変動部分が混在しています。その差全額を為替差益又は利息とするのではなく、二つの性格を区分することが必要です。
期首の外貨償却原価は980米ドルで、前期末の円貨簿価は一米ドル140円で換算した137200円とします。当期の外貨償却額は10米ドル、期中平均相場142円、期末相場145円です。債券の売買、償還、減損、ヘッジ、税金及び利札利息はここでは扱いません。金額単位は円、端数は生じません。
期末の外貨償却原価は990米ドルなので、円換算した貸借対照表価額は143550円となります。当期償却額の利息調整は10米ドルに142円を掛けた1420円です。額面金額が別に与えられていても、償還前の期末測定へ額面全額を使うのではなく、当期末の償却原価を使います。
期末円貨額143550円と期首円貨簿価137200円との差は6350円です。このうち1420円は外貨償却の利息調整なので、それを除いた4930円が為替差益となります。期首簿価に利息調整1420円と為替差益4930円を加えると、期末143550円へ一致します。
計算式を別の形で検算すると、期首外貨元本980米ドルに期首と期末の相場差5円を掛けた4900円と、当期償却10米ドルに平均相場と期末相場の差3円を掛けた30円の合計4930円になります。償却原価の増加分も取得後の平均的時点と期末で相場が違うため、元本の差だけでは為替差額が一致しません。
この計算は外貨建満期保有目的債券の償却原価計算であり、売買目的債券の時価評価とは異なります。その他有価証券の債券には別の換算差額処理があり、為替予約等の振当処理を用いる場合も取扱いが変わります。保有目的とヘッジの有無を省いたまま、平均相場と期末相場を選ぶことはできません。
実際の償却額は利息法等の採用方法によって算定し、その額が学習上の条件として与えられているかを確認します。利札利息の入金は償却原価の増加と別に扱い、利息調整へ重ねない。明細表には外貨期首残高、外貨償却、外貨期末残高、円貨期首簿価、平均相場換算額、期末円価、為替差額を並べると、どの数値が外貨でどの数値が円かを追いやすい。
償却額の見積りや保有目的が変更された場合には、変更の妥当性と適用すべき会計処理を別に確認します。当初の条件を用いた計算が継続して正しいと決めつけず、外貨額の測定を確定してから円への換算へ進むことが大切です。
公認会計士短答式試験 / 財務会計論
外貨建満期保有債券|償却原価と為替差額を切り分ける
外貨建取引の応用
1. 移管指針第2号「外貨建取引等の会計処理に関する実務指針」
企業会計基準委員会(ASBJ)
該当箇所: 第13〜16項
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