外貨建その他有価証券|株価変動と為替変動の処理を読む
保有区分と有価証券の種類を確認し、その他有価証券の原則処理と債券に認められる差額分離を区別します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月28日
保有区分と有価証券の種類を確認し、その他有価証券の原則処理と債券に認められる差額分離を区別します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月28日
最初に押さえる結論と判断規範
保有区分と有価証券の種類を確認し、その他有価証券の原則処理と債券に認められる差額分離を区別する。
外貨建有価証券の換算差額は、すべて為替差損益になるわけではありません。売買目的、満期保有目的、その他有価証券、子会社・関連会社株式などの保有区分によって測定が違います。さらに同じその他有価証券でも、株式と債券で認められる差額処理に違いがあります。
本稿は時価のある外貨建その他有価証券を中心に、全部純資産直入法を採用する学習例です。税効果、売買、減損、償却原価の期中変動はないとします。通常の評価と、著しい価額下落に伴う損失処理は最後に区別します。
取得原価1,000米ドル、取得時相場1米ドル140円の証券を保有しています。期末時価は1,100米ドル、期末相場は150円とします。円貨原価140,000円に対し期末額は165,000円なので、円貨差額は25,000円です。
項目 | 計算 | 円貨額 |
|---|---|---|
取得原価 | 1,000米ドル×140円 | 140,000円 |
期末の貸借対照表価額 | 1,100米ドル×150円 | 165,000円 |
円貨の差額合計 | 165,000−140,000 | 25,000円 |
その他有価証券の原則処理では、取得原価等に係る為替変動分も評価差額と同様に扱います。この設例では25,000円を評価差額へ含めます。外貨時価の上昇部分だけを純資産へ置き、残りを必ず為替差益へ分けるという理解は適切ではありません。
その他有価証券に区分する外貨建債券では、外貨による時価変動を決算時相場で換算した額を評価差額とし、それ以外の換算差額を為替差損益とする処理が認められます。同じ設例を債券に適用し、償却原価の変動はないとすると、次のように分けられます。
差額の内訳 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
外貨の価格変動部分 | (1,100−1,000)×150 | 評価差額15,000円 |
取得原価部分の為替変動 | 1,000×(150−140) | 為替差益10,000円 |
合計 | 15,000+10,000 | 25,000円 |
どちらの処理でも期末の貸借対照表価額は165,000円です。変わるのは差額の計上区分です。外貨時価の上昇100米ドルへ取得時相場140円を掛けると14,000円となり、この分解と一致しません。時価変動部分の換算にも期末相場を使います。
債券の別処理が認められていることを、その他有価証券の株式にも必ず適用する規定と読み替えません。問題文で保有区分、証券の種類、採用した処理方法が与えられたら、その条件を先に書き出します。指定のない設問で、損益を好ましく見せる方法へ自由に変えることも避けます。
また、満期保有目的債券の償却原価に係る換算と、この設例の時価評価は測定の出発点が異なります。外貨額の利息調整がある場合は、円貨残高の増加全額を為替差益とせず、その償却額との対応を確認します。
個別財務諸表の外貨建子会社・関連会社株式は、原則として外貨取得原価を取得時相場で換算します。一方、著しい実質価額の低下などにより評価額の引下げが必要な場合には、引下げ後の外貨実質価額等を決算相場で換算する取扱いを検討します。取得時相場のままなら一切損失が出ない、という意味ではありません。
外貨建その他有価証券の債券では、外貨時価の著しい下落がなくても、円相場の著しい上昇で円換算額が著しく下がるときの損失処理にも注意します。本稿は2026年4月1日時点の日本基準です。確認3問では、原則処理、債券の分離、合計額の照合を確かめます。
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