過半数未満の支配判定|議決権と意思決定の事実
議決権割合だけで親子関係を決めず、役員構成、同意者、重要方針を支配する契約等から意思決定機関の支配を判断します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
議決権割合だけで親子関係を決めず、役員構成、同意者、重要方針を支配する契約等から意思決定機関の支配を判断します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
議決権割合だけで親子関係を決めず、役員構成、同意者、重要方針を支配する契約等から意思決定機関の支配を判断する。
連結の前提となる子会社は、単に株式を多く持つ相手ではなく、財務及び営業又は事業の方針を決定する機関を支配する相手です。議決権の過半数を自己の計算で所有していれば通常は支配に該当するが、過半数未満でも一定の事実によって支配する場合があります。配当への経済的持分割合と意思決定のための議決権割合が異なる場合もあるため、取得代金の比率だけで判定しません。
まず対象となる企業と議決権の範囲、自己の計算による所有を確認します。そのうえで役員構成、方針決定契約、資金調達への関与などを調べる。四割だから必ず関連会社、過半数を持つから他の事情は一切不要という機械的な説明は、支配力基準の内容を十分に表さない。
自己の議決権が四割以上五割以下の場合には、一定の支配事実があるかを確認します。例えば自社の役員や使用人等で方針決定へ影響を与えられる者が取締役会の過半数を占める、重要方針を支配する契約がある、資金調達額の過半へ融資等を行っている、といった条件です。議決権四十五パーセントでも、該当する支配事実があれば子会社となり得る。
ただし、単に取締役を一人派遣したことや取引先として売上が大きいことを、列挙された条件と同一視しません。何人の意思決定者に実質的影響を与えられるか、契約がどの方針を決める権利を与えるかを確認する必要があります。結論を先に決めて一つの数字だけを拾うのではなく、支配する実態を具体的に示します。
自己の計算で所有する議決権が四割未満でも、緊密な者や同意者の議決権と合計して過半数を占め、さらに一定の支配事実がある場合には支配となり得る。たとえば自己三十、同じ内容で議決権を行使すると認められる同意者二十五なら、合計は30+25=55パーセントです。しかし、この合計だけで残る追加条件の確認を省略しません。四割以上五割以下の場合と条文の構成が異なる点を読みます。
緊密な者という言葉も、単なる知人や通常の取引先をすべて含む意味ではありません。出資、人事、資金等の関係により同一内容の議決権行使が認められるか、同意が実在するかを検討します。協力してくれそうという希望を同意に置き換えず、契約や実際の意思決定に基づく根拠を残す。
親会社と子会社又は子会社が他の企業の意思決定機関を支配するとき、その企業も親会社の子会社とみなされます。連結範囲を直接の株式投資先だけで止めず、階層をたどる必要があります。一方、形式的な議決権要件を満たしていても、財務上や営業上の関係から支配していないことが明らかな場合には、基準のただし書き等を確認します。有効な支配関係が存在しない破産会社等の扱いも、名称だけでなく実態を見る。
本稿は2026年4月1日時点の日本基準に基づきます。割合の設例は支配判定の手順を示し、配当配分や非支配持分の測定を行うものではありません。自己議決権、同意者等の範囲、追加の支配事実、支配を否定する明確な事実という順に整理し、一つの割合を親子関係の万能な境界として使わない。
公認会計士短答式試験 / 財務会計論
過半数未満の支配判定|議決権と意思決定の事実
連結の範囲と作成の前提
1. 企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」
企業会計基準委員会
該当箇所: 第5〜7項
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