商品の売上はいつ計上するか|出荷・引渡し・検収と支配の移転
出荷日と検収日がずれる取引で、売上の認識時点を判断します。証拠となる契約条件や支配の移転の指標を整理します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
出荷日と検収日がずれる取引で、売上の認識時点を判断します。証拠となる契約条件や支配の移転の指標を整理します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
一定期間にわたり充足する要件を満たさない履行義務は、一時点で収益を認識します。その時点を判断する際には、顧客が財を支配したかを確認します。出荷、到着、検収といった日付のうち、常に一つだけが正解になるわけではありません。 法的所有権、物理的占有、重要なリスクと経済価値、検収、対価に対する権利等の指標を、契約の実態と一緒に検討します。
誤答につながる考え方
「請求書が出たから売上」「倉庫から出たから売上」と判断を省略する誤りがあります。逆に、検収書の押印が遅れただけで必ず収益が遅れるとも限りません。顧客が既に支配しているかが中心です。
未出荷のまま顧客へ請求する特殊な契約にも別の要件があります。一般的な出荷の例から結論を転用せず、取引の種類に応じた指針を確認します。
一定期間にわたり充足する要件を満たさない履行義務は、一時点で収益を認識します。その時点を判断する際には、顧客が財を支配したかを確認します。出荷、到着、検収といった日付のうち、常に一つだけが正解になるわけではありません。
法的所有権、物理的占有、重要なリスクと経済価値、検収、対価に対する権利等の指標を、契約の実態と一緒に検討します。
日付 | 出来事 | 確認する資料 |
|---|---|---|
3月28日 | 商品を発送 |
公認会計士短答式試験 / 財務会計論
商品売買と棚卸資産の基本を説明し、問題に答える
商品売買と棚卸資産
1. 企業会計基準第29号 収益認識に関する会計基準
企業会計基準委員会
該当箇所: 履行義務の充足による収益の認識、一時点で充足される履行義務
出典を開く出荷伝票、運送条件
3月30日 | 顧客へ到着 | 受領記録 |
4月2日 | 検収完了 | 検収条件、検査記録 |
検収が単なる形式的な確認なのか、顧客が受入れを決める実質的な条件なのかによって検討が変わります。日付だけを表から拾って結論を出さないようにします。
商品代金240,000円について、仕様適合を顧客が検査し、受入れ前には支配が移転していないと判断する条件とします。3月決算で検収は4月2日なら、この設例では売上240,000円を4月に認識します。
3月28日に発送した事実や3月中に請求書を送った事実だけでは、3月の売上とは決まりません。商品原価160,000円についても、販売済みとしての処理が売上時点と整合するかを確かめます。売上だけ先送りし、原価だけ3月へ計上することを避けます。
国内の商品販売については、出荷時から支配移転までの期間が通常の期間である場合の代替的な取扱いがあります。ただし、契約や取引の条件を確認せず、全ての商品販売を出荷基準で処理してよいという意味ではありません。
設例で本来の支配移転の判断を問うのか、特定の代替的な取扱いを適用するのかを明示して考えます。特別に長い検査や顧客固有の条件がある場合には、通常の配送期間の例をそのまま使わないでください。
3月に全額を受け取っていても、支配が4月に移転する条件なら3月に売上を認識するでしょうか。答えは、この条件では認識しません。入金時には未履行の約束に対応する負債等を検討します。