棚卸資産会計基準の読み方|取得原価・評価方法・収益性の低下
棚卸資産の評価を、取得時・払出時・決算時の三段階に分けます。原価配分の方法と期末の評価切下げを混同しないための基準案内です。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
棚卸資産の評価を、取得時・払出時・決算時の三段階に分けます。原価配分の方法と期末の評価切下げを混同しないための基準案内です。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
どの取引・事象に適用するか
棚卸資産の評価を、取得時・払出時・決算時の三段階に分けます。原価配分の方法と期末の評価切下げを混同しないための基準案内です。
棚卸資産の評価に関する会計基準は、商品のほか、製品、原材料、仕掛品などの評価を扱います。通常の販売目的の在庫と、トレーディング目的の在庫では取扱いが異なるため、まず保有目的を確認します。ここでは通常の販売目的の商品の基本を扱います。
最初の問いは、仕入れた商品の取得原価に何を含めるかです。次に、その原価を販売済みの商品と期末に残る商品へどう割り当てるかを考えます。最後に、期末の商品に収益性の低下があるかを検討します。
段階 | 主な判断 | 計算の対象 |
|---|---|---|
取得 | 購入代価と付随費用 | 受入れ原価 |
原価配分 | 先入先出法、平均原価法など | 売上原価と期末原価 |
期末評価 | 正味売却価額との比較 | 収益性低下による切下額 |
評価方法を採用して原価を求めただけでは、決算時の評価は終わっていません。
同一商品の期末数量は80個、採用する評価方法で求めた単価は1,500円です。原価ベースの期末残高は120,000円です。売価は1個1,450円、見込販売直接経費は1個50円とします。
正味売却価額は1個1,400円、全体では112,000円となります。他に考慮する条件がなければ、原価120,000円から8,000円を切り下げます。原価単価1,500円を求める手続と、1,400円へ評価する手続を別々に記録します。
数量には実地棚卸表、取得原価には仕入明細や付随費用、正味売却価額には販売価格や追加加工費の見積りを使います。昨年と同じ率を使うだけでなく、商品の状態や販売計画が変わっていないかを確かめます。
販売価格が戻った翌期の扱いは、洗替え法か切放し法かという選択にも関係します。評価切下げの原因と継続適用する方針を確認してから、翌期の処理へ進みます。
在庫数量の不足と販売価格の下落を同じ計算にすると、数量差と単価差が混ざります。まず実際に存在する数量を確定し、その数量に対して原価と正味売却価額を比べます。
また、正味売却価額を「売価そのもの」とするのも誤りです。追加製造原価や販売直接経費の控除が必要な条件なら、費用を引いた後の金額で比較します。
原価200,000円の商品について、売価190,000円、販売直接経費12,000円なら、正味売却価額はいくらでしょうか。答えは178,000円、切下額は22,000円です。ここでは数量不足や税効果を考慮していません。
公認会計士短答式試験 / 財務会計論
商品売買と棚卸資産の基本を説明し、問題に答える
商品売買と棚卸資産
企業会計基準第9号 棚卸資産の評価に関する会計基準
第3項、第6項〜第14項
1. 企業会計基準第9号 棚卸資産の評価に関する会計基準
企業会計基準委員会
該当箇所: 第3項、第6項〜第14項
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