銀行勘定調整表の会計処理|未渡・未取付小切手と修正仕訳
未記帳の入出金、未渡小切手、誤記入の修正仕訳を解説します。仕訳が不要な未取付小切手・時間外預入との違いを、同じ残高照合例で確認します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
情報を確認した日:2026年10月22日
未記帳の入出金、未渡小切手、誤記入の修正仕訳を解説します。仕訳が不要な未取付小切手・時間外預入との違いを、同じ残高照合例で確認します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
情報を確認した日:2026年10月22日
銀行勘定調整で会社が仕訳を行うのは、会社帳簿の未記帳または誤記入を直す場面です。銀行側にだけ残る時間差は、調整表上で処理します。残高の差額全体を雑損や雑益にする方法ではありません。
同じ基準日の会社帳簿と銀行残高を照合し、不一致原因が個別に判明している場合を扱います。以下の例題では、当座預金は借方残高で、消費税の処理は考慮しません。
会社で未記帳の取引は、銀行の取引明細や関連資料に基づき、すでに発生している入出金を帳簿へ反映します。会社の誤記入は、正しい仕訳との差額を修正します。
未取付小切手は、会社が相手に小切手を渡して支払処理をした後、銀行でまだ決済されていないものです。会社の記録は正しいため、追加の仕訳は不要です。会社で入金記帳済みの時間外預入も同様です。
次の例では、会社残高612,000円に、未記帳の売掛金入金96,000円、未記帳の家賃引落し18,000円、買掛金支払用未渡小切手24,000円、支払額の誤記入差額4,000円を反映します。
612,000 + 96,000 − 18,000 + 24,000 − 4,000 = 710,000円
一方、銀行残高704,000円に時間外預入60,000円を加え、未取付小切手54,000円を差し引くと710,000円になります。この2項目を会社側でさらに仕訳することはありません。
売掛金の直接振込み
銀行で入金済み、会社で未記帳。
借方
貸方
この例の決算整理後の当座預金は710,000円です。通常、貸借対照表では現金及び預金に含めます。銀行勘定調整表そのものは残高の根拠となる内部資料であり、独立した表示科目ではありません。
調整後に当座預金勘定が貸方残高となる場合には、当座借越の表示を別途検討します。本例の借方残高と同じ扱いにはしません。
通常の未取付小切手や時間外預入について、このページの計算だけを根拠に一律の注記を求めるものではありません。実際の開示は、適用する会計基準、取引の性質や重要性に応じて判断します。
支払済みと記帳した買掛金を戻す場合と、すでに発生した費用を支払う場合では、貸方科目が異なります。
例えば、発生済みの修繕費30,000円について小切手を用意し、「修繕費/当座預金」と記帳したものの、相手に渡していなかったとします。修繕費自体は発生しているため、修正は「当座預金30,000円/未払金30,000円」です。修繕費を取り消しません。
銀行に訂正を依頼し、調整表では銀行側残高を修正します。会社帳簿が正しければ、銀行の誤った数値へ合わせる仕訳は行いません。
未渡小切手を、支払いが済んだ未取付小切手と混同する。
未取付小切手をもう一度支払処理して、当座預金を二重に減らす。
費用支払用の未渡小切手について、発生済みの費用まで取り消す。
原因を調べず、帳簿と銀行の差額を現金過不足勘定で処理する。
次の各項目について、会社側の修正仕訳を答えてください。
売掛金80,000円が当座預金に振り込まれていましたが、会社は未記帳でした。
修繕費30,000円が発生し、小切手を作成して支払記帳しましたが、決算日にはまだ相手へ渡していませんでした。
買掛金50,000円の支払小切手は相手へ渡し記帳済みですが、銀行で未決済でした。
1は「当座預金80,000円/売掛金80,000円」です。2は「当座預金30,000円/未払金30,000円」です。発生済みの修繕費は残します。3は未取付小切手なので仕訳は不要です。銀行側残高から50,000円を差し引いて照合します。
調整後残高を二つの計算列で求める方法は、銀行勘定調整表の計算で確認できます。手許現金の不足・超過については、現金と現金過不足の会計処理を参照してください。
公認会計士短答式試験 / 財務会計論
銀行勘定調整の基本を説明し、問題に答える
銀行勘定調整
1. 企業会計審議会 企業会計原則・同注解
企業会計審議会(ASBJ掲載)
該当箇所: 一般原則二(正規の簿記の原則)・貸借対照表原則五(現金預金)
出典を開く未記帳の家賃引落し
当月家賃の支払いを記帳する。
借方
貸方
買掛金支払用の未渡小切手
未完了の支払処理を取り消す。
借方
貸方
買掛金支払額の過少記入
実際46,000円、記帳42,000円の差額を追加処理する。
借方
貸方
以下の4本の仕訳が、会社側の修正に対応します。買掛金の支払いは、実際の46,000円を42,000円と記帳していたため、不足する4,000円だけ追加で処理します。
売掛金の直接振込みでは当座預金と売掛金、家賃引落しでは支払家賃と当座預金を動かします。未渡小切手では当座預金を戻し、未決済の買掛金を復活させます。