株主総会の普通決議と特別決議|定足数と賛成数を分ける
株主総会の決議は、出席に必要な議決権と、可決に必要な賛成議決権の二段階で確認します。普通決議・特別決議の原則と定款変更の限界を学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
株主総会の決議は、出席に必要な議決権と、可決に必要な賛成議決権の二段階で確認します。普通決議・特別決議の原則と定款変更の限界を学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
株主総会の決議は、出席に必要な議決権と、可決に必要な賛成議決権の二段階で確認します。普通決議・特別決議の原則と定款変更の限界を学びます。
会社法309条は、株主総会の決議要件を定めています。普通決議の原則は、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を持つ株主が出席し、出席者の議決権の過半数が賛成することです。ただし、定款に別段の定めがある場合や、役員選任などに別の規定がある場合に注意します。
定款変更など309条2項の対象となる事項では、一般に特別決議の要件を確認します。また、同条3項・4項には別の要件もあります。「重要そうな事項だから特別決議」と印象で決めず、当該事項を定める条文と決議要件の条文を結び付けます。
定足数は、総会に出席するための人数ではなく、原則として議決権数を基準にした要件です。可決に必要な賛成割合は、出席した株主の議決権を分母にします。株主の頭数を条件にする特別な規定がある場合とは分けて計算します。
309条2項の特別決議では、原則の定足数は議決権の過半数で、定款により3分の1以上の割合まで変更できます。賛成は出席した株主の議決権の3分の2以上であり、定款でこれを上回る割合などを定めることができます。普通決議と同じ範囲で自由に緩和できるわけではありません。
議決権を行使できる総数が1,000個、出席者の議決権が600個とします。定款の別段の定めがない普通決議では、600個は総数の過半数なので定足数を満たし、賛成301個以上で可決します。
同じ出席状況で309条2項の特別決議を行うなら、賛成は400個以上必要です。過半数は「半分を超える」であり、3分の2以上は「ちょうど3分の2を含む」ため、境界の扱いが違います。普通決議で賛成300個、特別決議で賛成399個なら、いずれも原則の賛成要件を満たしません。
問題文に定款の定めがあれば、その変更が法律上許されるかを先に確認します。その後、適用する定足数と賛成数を計算します。役員の選任なら341条、種類株主総会なら別の規定など、決議の種類と場面を特定することが必要です。
よくある誤りは、特別決議には常に全株主の3分の2の賛成が必要とすることです。309条2項の原則では、定足数を満たしたうえで、出席者の議決権を基準に賛成数を計算します。総数と出席数を同じ欄へ書かないようにします。
総議決権900個、出席600個の総会で、309条2項の特別決議に賛成390個でした。定款の別段の定めはありません。可決要件を満たしません。必要な賛成は600個の3分の2に当たる400個以上です。出席の要件を満たすことと、賛成数の要件を満たすことは別に判定します。
公認会計士短答式試験 / 企業法
株主総会の権限と決議の基本を説明し、問題に答える
株主総会の権限と決議
会社法
会社法 第309条、第341条
1. 会社法(e-Gov法令検索)
デジタル庁 e-Gov
該当箇所: 会社法 第309条、第341条
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