会社法105条|株主の基本的権利
会社法105条は、配当、残余財産の分配、議決権という株主の基本的権利を示します。自益権・共益権の区別、種類株式による調整、配当請求が具体化する手続まで関連条文と合わせて解説します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年10月24日
情報を確認した日:2026年10月24日
会社法105条は、配当、残余財産の分配、議決権という株主の基本的権利を示します。自益権・共益権の区別、種類株式による調整、配当請求が具体化する手続まで関連条文と合わせて解説します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年10月24日
情報を確認した日:2026年10月24日
原文から要件・効果までの読み順
法令上の文言をそのまま確認します
法令本文
株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。 一 剰余金の配当を受ける権利 二 残余財産の分配を受ける権利 三 株主総会における議決権 2 株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。
条文の意味を平易な言葉で整理します
株主は、出資した会社から経済的利益を受ける立場であると同時に、会社の意思決定に関わる立場でもあります。105条1項は、その基本として、配当を受ける権利、清算後の残余財産を受ける権利、株主総会の議決権を掲げています。
経済的利益を受ける権利は自益権、会社の経営に参加し監督する権利は共益権という学習上の分類で整理できます。ただし、105条の列挙は株主権の全部ではありません。帳簿閲覧請求など、他の条文が定める権利も含まれます。
甲社は配当を優先する代わりに議決権を制限した種類株式を設計しました。これは108条の枠組みで検討できます。他方、ある株主に配当も残余財産の分配も一切与えないという定款の定めは、105条2項に反します。「議決権を残せば経済的権利を両方なくせる」とは考えません。
この規定が置かれている理由
株式会社の出資者である株主の基本的な地位を示し、種類株式などで権利内容を調整する場合にも、経済的利益を受ける可能性まで全面的に奪わないようにしています。出資と利益分配の関係を保つ条文です。
規定が適用されるために必要な条件
保有する株式の種類・内容・数を確認します。配当や議決権の具体的な内容は、定款と個別条文の規律を合わせて読みます。
105条2項は、配当権と残余財産分配権の双方を完全に与えない定めを無効とします。議決権に関する種類株式の設計は108条などで別に検討します。
配当を受ける基本的な地位があることと、いま特定金額の支払を請求できることは同じではありません。配当の決定には454条、財源には461条が関係します。
要件を満たしたときに生じる結果
株主の地位に基づく基本的な権利が認められます。具体的な議決権数や行使方法は308条以下、残余財産の分配は清算の規定で確定します。会社の財産を株主が直接所有していると理解するのは誤りです。
原則どおりに扱わない場合
議決権のない種類株式や、自己株式の議決権を認めない規律など、個別の制限があります。株主に与えられる権利の内容を、105条1項だけで一律に確定させないようにします。
試験で区別すべき判断軸
「配当権・残余財産分配権の双方の全面剥奪」と、「議決権の制限」を区別します。株主権を列挙する問題では、105条が他の条文上の権利を排除していない点も確認します。
配当と残余財産の分配をともに一切認めず、議決権だけを与える定款の定めは有効ですか。
その定めは105条2項により効力を有しません。議決権を与えていても、経済的権利の双方を完全に奪うことはできません。
株主であるというだけで、利益が出た会社に対して直ちに任意の額の配当を請求できますか。
できません。基本的な配当権と具体的な配当金請求は区別します。454条に基づく配当の決定や461条の財源規制などを経て、具体的な支払関係を確認します。
2026年10月24日時点で施行されている会社法をe-Gov法令APIの時点指定で取得し、条文原文欄を全文照合しています。解説と確認問題は制度理解のための独自設例です。関連条文は制度間のつながりを示しており、個別の法律問題の結論は事実関係と適用法令に従って確認します。
公認会計士短答式試験 / 企業法
株主総会の権限と決議の基本を説明し、問題に答える
株主総会の権限と決議
公認会計士短答式試験 / 企業法
会社法105条
株主総会の権限と決議
会社法 株主の権利
第105条
1. 会社法(e-Gov法令検索)
デジタル庁 e-Gov
該当箇所: 第105条
出典を開く