会社法106条|共有株式の権利行使者と会社への通知
会社法106条は、共有株式について権利を行使する者を1人に定め、会社に通知することを求めます。相続による共有、会社の同意による例外、通知受領者との違いを具体例から整理します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年10月24日
情報を確認した日:2026年10月24日
会社法106条は、共有株式について権利を行使する者を1人に定め、会社に通知することを求めます。相続による共有、会社の同意による例外、通知受領者との違いを具体例から整理します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年10月24日
情報を確認した日:2026年10月24日
原文から要件・効果までの読み順
法令上の文言をそのまま確認します
法令本文
株式が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、当該株式についての権利を行使する者一人を定め、株式会社に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければ、当該株式についての権利を行使することができない。 ただし、株式会社が当該権利を行使することに同意した場合は、この限りでない。
条文の意味を平易な言葉で整理します
株式を複数人で共有していても、各共有者が自分の持分に応じて別々に会社へ権利を主張すると、会社は議決権行使などを処理しにくくなります。106条は、共有者側で権利行使者を1人にまとめ、会社へその氏名・名称を知らせることを求めています。
これは、共有者間で誰を選ぶかという内部関係と、会社が誰を相手に権利行使を受け付けるかという外部関係をつなぐ規定です。株式の共有と、共有している株式を複数の株式に分割することは同じではありません。
Aの死亡により、その株式をBとCが共有することになりました。BとCが、それぞれ半分ずつの票を別々の候補へ投じようとしても、106条の手続を無視して行使できるわけではありません。共有者側で適法に権利行使者を定め、会社に通知するのが原則です。
この規定が置かれている理由
会社が共有者間の対立へ巻き込まれず、株主権の行使を統一的に処理できるようにする点にあります。権利行使の窓口を明確にすることで、会社事務の安定と円滑な意思決定を図ります。
規定が適用されるために必要な条件
相続などにより同一の株式が2人以上に帰属している場面を確認します。複数人が別々の株式を持つ場合とは区別します。
共有者側で権利を行使する者を1人定めます。共有者間での決定方法については、共有関係の法的規律や判例を別に確認する必要があります。
指定した者の氏名または名称を会社に通知します。内部で指定しただけの場合と、会社へ通知した場合を分けます。
要件を満たしたときに生じる結果
原則として、指定・通知を経て共有株式の権利を行使します。会社は窓口を特定して議決権行使等を取り扱えます。ただし、指定により株式の所有権が権利行使者1人へ移るわけではありません。
原則どおりに扱わない場合
会社が当該権利の行使に同意した場合は、106条ただし書の例外があります。しかし、会社の同意があれば共有者間の意思決定上の問題までなくなるわけではありません。通知の欠缺と、共有者間の適法な決定の有無を混同しないことが重要です。
試験で区別すべき判断軸
「共有者が指定する」「1人」「氏名または名称を通知する」「会社の同意による例外」を押さえます。会社からの通知を受け取る者と、権利を行使する者を混ぜないようにします。
権利行使者を1人に定めると、他の共有者は株式の共有持分を失いますか。
失いません。106条は権利行使の窓口を定める規定です。共有株式そのものを権利行使者に譲渡する手続ではありません。
会社が権利行使に同意すれば、共有者間で必要な決定が行われたかは一切問題になりませんか。
そうではありません。106条ただし書の会社の同意と、共有者間の内部的な権利関係は別です。指定・通知の問題が解消しても、共有に関する規律を無視してよいとはいえません。
2026年10月24日時点で施行されている会社法をe-Gov法令APIの時点指定で取得し、条文原文欄を全文照合しています。解説と確認問題は制度理解のための独自設例です。関連条文は制度間のつながりを示しており、個別の法律問題の結論は事実関係と適用法令に従って確認します。
公認会計士短答式試験 / 企業法
株式の内容と株式譲渡の基本を説明し、問題に答える
株式の内容と株式譲渡
公認会計士短答式試験 / 企業法
会社法106条
株式の内容と株式譲渡
会社法 共有者による権利の行使
第106条
1. 会社法(e-Gov法令検索)
デジタル庁 e-Gov
該当箇所: 第106条
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