株主名簿の閲覧請求|請求理由と拒絶事由を確認する
株主や債権者の株主名簿閲覧には、請求理由の明示と拒絶事由の規定があります。情報へのアクセスと濫用防止の両方から要件を学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
株主や債権者の株主名簿閲覧には、請求理由の明示と拒絶事由の規定があります。情報へのアクセスと濫用防止の両方から要件を学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
株主や債権者の株主名簿閲覧には、請求理由の明示と拒絶事由の規定があります。情報へのアクセスと濫用防止の両方から要件を学びます。
株主名簿には、株主や保有株式等に関する法定事項が記録されます。会社法125条は、その備置きと閲覧等について定めています。原則として本店に、株主名簿管理人がある場合はその営業所に備え置きます。
株主や債権者は、営業時間内に閲覧や謄写を請求できますが、請求の理由を明らかにする必要があります。書面で作成した名簿と電磁的記録による名簿では、閲覧等の対象を示す条文の書き方が異なります。名簿の形式が電子になっただけで、閲覧制度がなくなるわけではありません。
125条3項には、権利の確保・行使に関する調査以外の目的、会社の業務を妨げる目的、株主の共同利益を害する目的など、会社が拒める事由が定められています。名簿の情報を有償で第三者へ伝える目的や、過去の一定期間にそのような行為をした場合についての規定もあります。
会社が単に開示したくないというだけで自由に拒めるわけではありません。他方、株主であるという資格だけで請求目的に関する規制がなくなるわけでもありません。請求者の立場、理由、拒絶事由に当たる事実を順に確認します。
株主Aが、総会で議案の賛成を呼びかけるため、他の株主の状況を調べたいと説明して閲覧を請求したとします。会社は、その説明と具体的事情から、権利行使のための調査か、法定の拒絶事由があるかを検討します。
Aが経営陣に反対しているという事実だけをもって、直ちに業務妨害目的と扱うことはできません。逆に、得た情報を名簿業者へ販売することを目的にしているなら、その目的についての拒絶事由を検討します。相手の意見への賛否と、法律上の要件は分けて判断します。
親会社の社員については、自分の権利を行使するため必要な場合に、裁判所の許可を得て閲覧等を請求する制度があります。この「社員」は日常語の従業員という意味ではなく、会社法上の構成員という用語です。親会社の従業員なら誰でも請求できると読み替えないようにします。
裁判所の許可に関しても、請求理由と拒絶事由に対応する規定を確認します。直接の株主・債権者による請求と、親会社社員による請求では手続が異なるため、請求できる者の一覧だけでなく、必要な手続も併せて覚えます。
会社は「名簿に個人情報が含まれる」という理由だけで、株主の適法な請求を一律に拒めるでしょうか。その理由だけで125条の制度を排除できません。請求の要件と同条の拒絶事由に照らして判断します。個人情報を含む資料だから自由に公開する、または一切閲覧させない、という二つの極端な理解を避けます。
公認会計士短答式試験 / 企業法
株式の内容と株式譲渡の基本を説明し、問題に答える
株式の内容と株式譲渡
会社法
会社法 第121条、第125条
1. 会社法(e-Gov法令検索)
デジタル庁 e-Gov
該当箇所: 会社法 第121条、第125条
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