株主提案権の三つの場面|議題・議案・通知請求を分ける
総会で扱う事項を増やす請求、当日の議案提出、議案要領の通知請求は、それぞれ要件が異なります。会社の種類と請求時期から確認します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
総会で扱う事項を増やす請求、当日の議案提出、議案要領の通知請求は、それぞれ要件が異なります。会社の種類と請求時期から確認します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
総会で扱う事項を増やす請求、当日の議案提出、議案要領の通知請求は、それぞれ要件が異なります。会社の種類と請求時期から確認します。
議題は「定款変更の件」のように総会で扱う事項、議案はその事項についての具体的な提案内容です。会社法303条は一定事項を総会の目的にする請求、304条は総会の場での議案提出、305条は議案の要領を他の株主へ通知するよう求める請求を扱います。
どの権利を行使したいかを特定せずに、株主提案権は全て同じ持株要件があると覚えると誤ります。取締役会設置会社か、公開会社かという区分も、要件を読む際に重要です。公開会社は上場会社と同じ意味ではありません。
303条2項では、原則として議決権の1%以上または300個以上を6か月前から継続して持つ株主が、総会の日の8週間前までに請求します。割合・個数・期間について定款で引き下げを認める部分があるため、定款の条件も併せて確認します。
公開会社でない取締役会設置会社では、6か月の継続保有要件は適用されません。1%と300個は両方を満たす条件ではなく、いずれかです。また、その事項について議決権を行使できることや、分母となる議決権の範囲にも注意します。
304条に基づく当日の議案提出は、その株主が議決権を行使できる総会の目的事項に関する提案です。法令・定款違反の議案や、一定の条件で否決されてから3年を経過していない実質同一の議案などには制限があります。
305条の議案要領の通知請求では、原則8週間前までという時期を確認します。取締役会設置会社については持株と継続保有の要件があり、非公開会社には継続保有の特則があります。取締役会設置会社の通知請求には議案数に関する制限もあるため、当日の提案と一括りにしません。
非公開の取締役会設置会社で、株主Aが行使可能な議決権の2%を取得しました。総会の10週間前に303条の請求をする場合、取得から6か月経っていないという理由だけで排除することはできません。非公開会社の特則があるためです。
一方、公開会社で同じ事情なら、原則の継続保有要件を検討します。また、当日に新しい議題そのものを追加したいという希望は、既に目的事項となっている議題について具体的な議案を提出することとは異なります。何をいつ求めたかを文章から読み分けます。
株主が総会当日に、既に議題となっている定款変更について別案を出そうとしています。必ず303条2項の6か月保有が必要でしょうか。この場面では、当日の議案提出を扱う304条を確認します。議題の追加請求、議案の提出、議案要領の通知請求を区別して、それぞれの要件を判断します。
公認会計士短答式試験 / 企業法
株主総会の権限と決議の基本を説明し、問題に答える
株主総会の権限と決議
会社法
会社法 第303条〜第305条
1. 会社法(e-Gov法令検索)
デジタル庁 e-Gov
該当箇所: 会社法 第303条〜第305条
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