のれん償却と開始仕訳|過年度分と当期費用を分ける
効果期間に基づく規則的償却を行い、前期までの連結修正は期首利益剰余金、当期分は当期費用として再現します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
効果期間に基づく規則的償却を行い、前期までの連結修正は期首利益剰余金、当期分は当期費用として再現します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
効果期間に基づく規則的償却を行い、前期までの連結修正は期首利益剰余金、当期分は当期費用として再現する。
のれんは資産に計上し、二十年以内の効果の及ぶ期間にわたり、定額法等の合理的な方法で規則的に償却します。二十年という上限があるからといって、すべての取得で必ず二十年を選ぶ意味ではありません。顧客関係、事業計画、競争環境などから期待する効果期間を見積り、その根拠に基づいて合理的な期間を決めます。利益が少ない年度だけ償却を停止する恣意的な処理はしません。
重要性が乏しい場合の費用処理の定めもあるが、多額ののれんへ理由なく適用しません。海外基準の非償却という取扱いを、日本基準でも自由に選べると考えるのも不適切です。規則的償却と減損の検討は別の役割を持つため、どちらかだけ行えばよいという選択ではありません。
金額を万円とし、期首の取得でのれん百二十が発生し、合理的な効果期間六年、定額法、残存額零で、一年を通じて保有するとします。当期償却費は120÷6=20、期末帳簿価額は120−20=100となります。取得が期中の場合には取得後の期間に対応するため、存在しなかった取得前期間まで年額を費用にしません。月割等の方法や起算時点は設例と実際の方針に従って明らかにします。
日本基準の子会社取得で親会社に対応するのれんを計上した例では、その償却を親会社株主へ帰属する利益へ反映します。子会社の個別利益へ先に償却を混ぜ、その全額を親会社と非支配へ持分配分する方法とは区別します。非支配持分に対応するのれんを取得時に計上したかという基礎を忘れない。
親会社と子会社の個別帳簿に連結修正が記帳されていない場合、翌期の連結でも取得時相殺やのれんの累計償却を再現する必要があります。前期までの償却二十は、翌期にもう一度当期費用へ入れるのではなく、期首利益剰余金を減らす開始仕訳として引き継ぐ。当期分二十は別に当期費用へ計上し、二年終了後残高は120−20−20=80となります。
開始仕訳で過年度分を再現しないと、のれんが毎期取得時原価へ戻り、過去の償却の効果が消えてしまう。反対に過年度累計を毎期費用へ重ねると当期利益を過小にします。期首帳簿価額、当期償却、当期減損、期末帳簿価額を分けた明細が有用です。
親会社個別利益五百、子会社の連結調整後利益百、親会社持分八割、親会社に対応する当期のれん償却二十とします。他の内部取引や税金等がなければ、親会社帰属利益は500+100×0.8−20=560となります。のれん償却まで八割を掛けると、非支配に対応しないのれん費用を一部非支配へ負担させてしまう。どの利益を持分配分し、どの費用を親会社へ直接対応させるかを分けます。
本稿は2026年4月1日時点の日本基準に基づきます。数値例に減損、追加取得、税金、配当はない。効果期間と償却の合理性、取得後の期間、開始仕訳の累計額、利益帰属の順に確認します。規則的に償却していても減損の要件を満たす場合は減損会計を適用するため、毎年の償却を減損検討の免除とみなさない。
公認会計士短答式試験 / 財務会計論
のれん償却と開始仕訳|過年度分と当期費用を分ける
取得時相殺と取得後の資本連結