内部商品の未実現利益|売価利益率と翌期の実現を読み分ける
内部売買の取引高消去と期末在庫の利益消去を分け、利益率の分母と翌期の外部販売による実現を確かめます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
内部売買の取引高消去と期末在庫の利益消去を分け、利益率の分母と翌期の外部販売による実現を確かめます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
内部売買の取引高消去と期末在庫の利益消去を分け、利益率の分母と翌期の外部販売による実現を確かめる。
親会社と子会社の間で商品を販売した場合、連結では売手の売上と買手の仕入又は売上原価を相殺します。それだけでは、買手の期末商品に含まれた内部利益は取り除かれていない。集団外へ販売していない商品を、集団が外部から取得した原価で示すため、期末在庫に残る未実現利益も消去する必要があります。
内部取引高が大きくても、すべて外部へ販売済みなら期末在庫の消去は生じない場合があります。逆に内部取引が前期に行われた商品でも、当期末にまだ残っていれば影響が続く。取引期間の表と商品の所在・販売状況の表を分けて用意することが大切です。
集団外から原価300万円で取得した商品を親会社が子会社へ400万円で販売し、子会社が期末にその半分を保有しているとします。税効果は考慮しません。内部利益は100万円、期末の未実現利益は50万円であり、子会社の期末商品200万円を連結上150万円へ減らします。金額単位は万円、端数は生じません。
売価を分母とする利益率は100万円を400万円で割った25%です。一方、原価を分母とする上乗せ率は100万円を300万円で割った値となり、同じ率ではありません。原価へ25%上乗せした取引なら売価の利益率は二十五を百二十五で割るため20%となります。設問がどちらの率を与えたかを先に確認しよう。
前期末に未実現利益50万円を消去した商品が、翌期にすべて外部へ販売されたとします。翌期の連結では期首利益剰余金を50万円減らす修正を引き継ぐ一方、その商品に係る当期売上原価を50万円減らし、利益を実現させる。前期の消去は当期の新しい売上を作るものではありません。
商品の一部だけが販売された場合は、実際に外部へ移転した部分に対応する利益だけを実現させる。期末に残る商品には消去を継続します。また、当期新たに内部仕入をした商品があれば、その未実現利益を別に計算します。期首消去額の実現と当期発生額の消去を一つの率でまとめず、商品群と年度を追います。
内部取引に損失が生じている場合も、原則は未実現損益の全額消去です。ただし売手の帳簿価額のうち回収不能と認められる部分は消去しません。集団外から取得した原価が既に回収できないなら、内部販売をしたことを理由にその経済的損失を消して資産を元の原価へ戻すのは適切ではありません。
例えば商品の品質劣化や市場価格の低下があるなら、内部取引価格だけでなく集団としての回収可能額を調べる。未実現利益の消去と棚卸資産の評価損は役割が違うため、前者を計上したから後者の検討が不要になるわけではありません。買手の商品残高、内部利益、外部への販売状況、回収可能性をつないで、資産と当期損益の両方を確認します。
集団外から800万円で仕入れた商品を、親会社が子会社へ1,000万円で販売し、期末に40%が子会社へ残った別の例を考えます。税効果は考慮しません。売価に対する利益率は200÷1,000=20%です。原価に対する付加率25%と区別します。
計算するもの | 計算式 | 金額(万円) |
|---|---|---|
買手個別の期末在庫 | 1,000×40% | 400 |
含まれる未実現利益 | 400×20% | 80 |
連結上の期末在庫 | 400−80 | 320 |
付加率25%から売価利益率を求めるなら、25÷125=20%です。400×25%=100万円を消去すると、外部原価320万円を下回ってしまいます。利益率の分母が売価か原価かを、割合の横に書いてから計算しましょう。
翌期にこの期首商品の60%を外部販売し、新しい内部商品取引はないとします。前期に消した80万円のうち、80×60%=48万円が実現し、期末に残る未実現利益は32万円です。前期消去の開始仕訳を引き継いだうえで、当期の売上原価を差引き48万円減らします。80万円を毎年新たな損失として繰り返し消す処理ではありません。
確認問題:親会社の持分が80%なら消去額も80%にするでしょうか。子会社との取引は原則として利益80万円を全額消去します。売手が子会社の場合の非支配株主への損益配分は、全額消去の後に検討する別の段階です。
公認会計士短答式試験 / 財務会計論
内部商品の未実現利益|売価利益率と翌期の実現を読み分ける
連結内部取引の応用
1. 企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」
企業会計基準委員会(ASBJ)
該当箇所: 第12項、第35〜38項
出典を開く外部原価からの検算 |
800×40% |
320 |