会社法5条|会社の事業上の行為と商行為
会社法5条は、会社が事業として行う取引だけでなく、その事業を支えるための行為も商行為とします。本業の売買と設備購入・資金調達を例に、民法・商法とのつながりを整理します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年10月24日
情報を確認した日:2026年10月24日
会社法5条は、会社が事業として行う取引だけでなく、その事業を支えるための行為も商行為とします。本業の売買と設備購入・資金調達を例に、民法・商法とのつながりを整理します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年10月24日
情報を確認した日:2026年10月24日
原文から要件・効果までの読み順
法令上の文言をそのまま確認します
法令本文
会社(外国会社を含む。次条第一項、第八条及び第九条において同じ。)がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為は、商行為とする。
条文の意味を平易な言葉で整理します
「事業としてする行為」は、たとえば家具販売会社が顧客へ家具を販売する行為です。「事業のためにする行為」は、販売に必要な倉庫を借りる、設備を買うといった補助的な行為です。5条は、会社の本業に当たる取引だけに商行為性を限定しません。
商行為であるという分類と、その契約が適法に締結されたか、誰が会社を代表できるかは別です。また、商法の特則には独自の要件があるため、5条に該当することからすべての商法規定の適用を即断することはできません。
家具販売を営む甲社が、顧客へ机を売り、配送車を買い、営業資金を借りたとします。机の販売は事業としてする行為、配送車の購入や営業資金の借入れは事業のためにする行為として整理できます。借入れに必要な社内決定や代表権の確認は、商行為性とは別に行います。
この規定が置かれている理由
会社の事業活動を、本業とその準備・補助行為に細かく分断せず、商取引として規律するための基本線を示します。会社法の組織法的な規定と、商法の取引法的な規定をつなぐ条文です。
規定が適用されるために必要な条件
2条でいう会社がする行為かを確認します。会社の代表者が個人として行う取引を、会社自身の行為と混同しません。
会社の事業そのものとして行うのか、事業を支えるために行うのかを確認します。単に契約書に会社名が出てくることだけでなく、問題となる行為の当事者と性質を捉えます。
商法上の具体的な規定が商人間の取引などの追加要件を定めている場合、その要件も満たす必要があります。
要件を満たしたときに生じる結果
該当する行為は商行為として扱われ、民法の一般的な契約ルールに加えて、商法上の関連規定の適用を検討することになります。会社法5条だけで、契約の内容、損害賠償の有無、相手方の義務がすべて決まるわけではありません。
原則どおりに扱わない場合
会社が契約当事者でも、取締役が必要な承認を得ていない場合や、代表権に問題がある場合には別の検討が必要です。また、取締役の私的な買物と会社の事業上の買物を同じには扱いません。
試験で区別すべき判断軸
本業の売上を生む行為かどうかだけで判定しないことが重要です。「事業として」と「事業のために」の両方を具体例で説明します。
製造会社が工場で使う機械を購入する行為は、自社製品の販売ではないため、5条の対象外ですか。
対象外とはいえません。製造事業のために行う設備購入は、「その事業のためにする行為」として5条の対象になります。
会社の取引が商行為であると分かれば、取締役の代表権や必要な承認を調べる必要はありませんか。
必要があります。商行為性は行為の分類であり、代表権や社内の意思決定の適法性とは別の問題です。
2026年10月24日時点で施行されている会社法をe-Gov法令APIの時点指定で取得し、条文原文欄を全文照合しています。解説と確認問題は制度理解のための独自設例です。関連条文は制度間のつながりを示しており、個別の法律問題の結論は事実関係と適用法令に従って確認します。
公認会計士短答式試験 / 企業法
会社と株主の基本の基本を説明し、問題に答える
会社と株主の基本
公認会計士短答式試験 / 企業法
会社法5条
会社と株主の基本
会社法 商行為
第5条
1. 会社法(e-Gov法令検索)
デジタル庁 e-Gov
該当箇所: 第5条
出典を開く