会社法2条|会社法上の基本用語と会社類型
会社法2条の「会社」「公開会社」「大会社」「種類株式発行会社」を整理します。公開会社と上場会社、大会社と売上規模を混同せず、各制度の適用対象を正確に判定するための基本用語を学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年10月24日
情報を確認した日:2026年10月24日
会社法2条の「会社」「公開会社」「大会社」「種類株式発行会社」を整理します。公開会社と上場会社、大会社と売上規模を混同せず、各制度の適用対象を正確に判定するための基本用語を学びます。
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原文から要件・効果までの読み順
法令上の文言をそのまま確認します
法令本文
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 会社 株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社をいう。 二 外国会社 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう。 三 子会社 会社がその総株主の議決権の過半数を有する株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 三の二 子会社等 次のいずれかに該当する者をいう。 イ 子会社 ロ 会社以外の者がその経営を支配している法人として法務省令で定めるもの 四 親会社 株式会社を子会社とする会社その他の当該株式会社の経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう。 四の二 親会社等 次のいずれかに該当する者をいう。 イ 親会社 ロ 株式会社の経営を支配している者(法人であるものを除く。)として法務省令で定めるもの 五 公開会社 その発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をいう。 六 大会社 次に掲げる要件のいずれかに該当する株式会社をいう。 イ 最終事業年度に係る貸借対照表(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、同条の規定により定時株主総会に報告された貸借対照表をいい、株式会社の成立後最初の定時株主総会までの間においては、第四百三十五条第一項の貸借対照表をいう。ロにおいて同じ。)に資本金として計上した額が五億円以上であること。 ロ 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であること。 七 取締役会設置会社 取締役会を置く株式会社又はこの法律の規定により取締役会を置かなければならない株式会社をいう。 八 会計参与設置会社 会計参与を置く株式会社をいう。 九 監査役設置会社 監査役を置く株式会社(その監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがあるものを除く。)又はこの法律の規定により監査役を置かなければならない株式会社をいう。 十 監査役会設置会社 監査役会を置く株式会社又はこの法律の規定により監査役会を置かなければならない株式会社をいう。 十一 会計監査人設置会社 会計監査人を置く株式会社又はこの法律の規定により会計監査人を置かなければならない株式会社をいう。 十一の二 監査等委員会設置会社 監査等委員会を置く株式会社をいう。 十二 指名委員会等設置会社 指名委員会、監査委員会及び報酬委員会(以下「指名委員会等」という。)を置く株式会社をいう。 十三 種類株式発行会社 剰余金の配当その他の第百八条第一項各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する株式会社をいう。 十四 種類株主総会 種類株主(種類株式発行会社におけるある種類の株式の株主をいう。以下同じ。)の総会をいう。 十五 社外取締役 株式会社の取締役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。 イ 当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第三百六十三条第一項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人(以下「業務執行取締役等」という。)でなく、かつ、その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。 ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)又は監査役であったことがある者(業務執行取締役等であったことがあるものを除く。)にあっては、当該取締役、会計参与又は監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。 ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。 ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。 ホ 当該株式会社の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。 十六 社外監査役 株式会社の監査役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。 イ その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。ロにおいて同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の監査役であったことがある者にあっては、当該監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与若しくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと。 ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役、監査役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。 ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。 ホ 当該株式会社の取締役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。 十七 譲渡制限株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 十八 取得請求権付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として株主が当該株式会社に対して当該株式の取得を請求することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 十九 取得条項付株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件として当該株式を取得することができる旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。 二十 単元株式数 株式会社がその発行する株式について、一定の数の株式をもって株主が株主総会又は種類株主総会において一個の議決権を行使することができる一単元の株式とする旨の定款の定めを設けている場合における当該一定の数をいう。 二十一 新株予約権 株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいう。 二十二 新株予約権付社債 新株予約権を付した社債をいう。 二十三 社債 この法律の規定により会社が行う割当てにより発生する当該会社を債務者とする金銭債権であって、第六百七十六条各号に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいう。 二十四 最終事業年度 各事業年度に係る第四百三十五条第二項に規定する計算書類につき第四百三十八条第二項の承認(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認)を受けた場合における当該各事業年度のうち最も遅いものをいう。 二十五 配当財産 株式会社が剰余金の配当をする場合における配当する財産をいう。 二十六 組織変更 次のイ又はロに掲げる会社がその組織を変更することにより当該イ又はロに定める会社となることをいう。 イ 株式会社 合名会社、合資会社又は合同会社 ロ 合名会社、合資会社又は合同会社 株式会社 二十七 吸収合併 会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものをいう。 二十八 新設合併 二以上の会社がする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継させるものをいう。 二十九 吸収分割 株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割後他の会社に承継させることをいう。 三十 新設分割 一又は二以上の株式会社又は合同会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を分割により設立する会社に承継させることをいう。 三十一 株式交換 株式会社がその発行済株式(株式会社が発行している株式をいう。以下同じ。)の全部を他の株式会社又は合同会社に取得させることをいう。 三十二 株式移転 一又は二以上の株式会社がその発行済株式の全部を新たに設立する株式会社に取得させることをいう。 三十二の二 株式交付 株式会社が他の株式会社をその子会社(法務省令で定めるものに限る。第七百七十四条の三第二項において同じ。)とするために当該他の株式会社の株式を譲り受け、当該株式の譲渡人に対して当該株式の対価として当該株式会社の株式を交付することをいう。 三十三 公告方法 会社(外国会社を含む。)が公告(この法律又は他の法律の規定により官報に掲載する方法によりしなければならないものとされているものを除く。)をする方法をいう。 三十四 電子公告 公告方法のうち、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)により不特定多数の者が公告すべき内容である情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって法務省令で定めるものをとる方法をいう。
条文の意味を平易な言葉で整理します
2条は、会社法全体で使う用語の辞書です。同じ日本語でも、日常の意味と法律上の意味が一致するとは限りません。とくに「公開会社」は、証券取引所に上場している会社をそのまま意味する言葉ではありません。
第1号の会社は、株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の4種類です。本記事では、株式の規定を読む前提となる会社類型と定義を扱います。社外取締役などの個別の資格要件までを一つの定義記事で置き換えるものではありません。
甲社は非上場ですが、A種類株式には譲渡制限を設け、B種類株式には設けていません。この場合、会社法上は公開会社です。乙社は資本金が小さくても、最終事業年度の貸借対照表上の負債が200億円以上であれば、大会社に該当し得ます。上場の有無、公開・非公開、大会社かどうかは別々の軸です。
この規定が置かれている理由
会社類型によって、取締役会や監査機関の設置義務、株式の発行手続、株主権の行使要件などが変わります。定義を統一することで、各条文に同じ長い説明を繰り返さず、適用範囲を明確にしています。
規定が適用されるために必要な条件
全部の株式に譲渡制限があるかを確認します。一部の株式について会社の承認を要しない定めであれば、公開会社の定義に入ります。
第6号の基準は、原則として最終事業年度に係る貸借対照表上の資本金5億円以上、または負債合計200億円以上です。両方を満たす必要はありません。成立後最初の定時株主総会までの会社については、条文の貸借対照表の指定も確認します。
108条に基づき、内容の異なる2以上の種類の株式を発行する会社です。定款上の制度設計を確認し、現時点で実際に発行されている株式だけを数えて判定しないようにします。
要件を満たしたときに生じる結果
適用する手続や機関設計の前提が定まります。公開会社であれば327条、大会社であれば328条などの規律につながります。親会社・子会社についても、資本関係の呼び方だけでなく、2条と施行規則が定める支配関係を確認します。
原則どおりに扱わない場合
「非公開会社」は、会社法の「公開会社でない株式会社」を説明する際に使われる表現です。合同会社を株式会社の公開・非公開の分類にそのまま入れることはできません。また、大会社の判定を売上高、従業員数、時価総額だけで代用しません。
試験で区別すべき判断軸
「全部の株式に譲渡制限があるか」「資本金または負債の基準を満たすか」を分けて判定します。公開会社と大会社は排他的な分類ではなく、両方に該当することもあります。
非上場の株式会社でも、譲渡制限のない種類株式を発行できる定款になっている場合、公開会社に該当しますか。
該当します。会社法上の公開会社は、上場の有無ではなく、全部または一部の株式について譲渡承認を必要とする定款の定めがないかによって判断します。
原則的な判定において、資本金4億円、負債合計220億円の株式会社は大会社ですか。
大会社です。第6号の資本金基準と負債基準は「または」の関係なので、負債合計200億円以上の基準を満たせば該当します。
2026年10月24日時点で施行されている会社法をe-Gov法令APIの時点指定で取得し、条文原文欄を全文照合しています。解説と確認問題は制度理解のための独自設例です。関連条文は制度間のつながりを示しており、個別の法律問題の結論は事実関係と適用法令に従って確認します。
公認会計士短答式試験 / 企業法
会社と株主の基本の基本を説明し、問題に答える
会社と株主の基本
公認会計士短答式試験 / 企業法
会社法2条
会社と株主の基本
会社法 定義
第2条
1. 会社法(e-Gov法令検索)
デジタル庁 e-Gov
該当箇所: 第2条
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