複数基準配賦法による固定費・変動費の配賦計算
補助部門費を固定費と変動費へ分け、予算利用量と実際利用量を使い分けて配賦します。固定費の負担が他部門の実際利用量に左右される問題を考えます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
情報を確認した日:2026年10月28日
補助部門費を固定費と変動費へ分け、予算利用量と実際利用量を使い分けて配賦します。固定費の負担が他部門の実際利用量に左右される問題を考えます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
情報を確認した日:2026年10月28日
変動費配賦額=予定変動費率×実際利用量
固定費配賦額=固定費予算×予算利用割合
端数処理本文の指定に従います。指定のない中間値は丸めず、最終額を計算します。
補足金額は円。数量・時間・比率の単位をそろえます。
補助部門費には、利用量に応じて増える費用と、設備・人員を維持するための費用があります。複数基準配賦法では、両者を分けてそれぞれに合う基準で配賦します。利用量が減った部門の固定費まで自動的に減らすと、ほかの部門へ負担が移り、費用を生む意思決定と評価がずれることがあります。
以下は、変動費を予定単価×実際利用量、固定費を予算利用量の割合で配る指定です。複数基準配賦法という名称だけで、すべての問題がこの組合せになるわけではありません。実際配賦か予定配賦か、固定費の負担基準は何かを先に読みます。
固定費予算300,000円、変動費予定単価は利用1時間当たり100円です。A部門の予算利用量は1,000時間、B部門は500時間。実際利用量はA800時間、B400時間とします。実際固定費は予算と同額、実際変動費も予定単価×実際時間に一致する条件です。
部門 | 固定費の配賦 | 変動費の配賦 | 合計 |
|---|---|---|---|
A | 300,000円×1,000÷1,500=200,000円 |
公認会計士短答式試験 / 管理会計論
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部門別計算と補助部門費の配賦
1. 原価計算基準
企業会計審議会(ASBJ掲載)
該当箇所: 第18項(一)・(二)(部門費の固定・変動区分と配賦)。予算利用量と差異管理は設例の指定。
出典を開く100円×800時間=80,000円 |
280,000円 |
B | 300,000円×500÷1,500=100,000円 | 100円×400時間=40,000円 | 140,000円 |
合計 | 300,000円 | 120,000円 | 420,000円 |
固定費で使う時間は1,000時間と500時間、変動費で使う時間は800時間と400時間です。二つの欄を分けておけば、実際利用量で固定費の割合まで計算し直す誤りを防げます。
利用量と予定配賦基準は例1と同じで、実際固定費が330,000円だった場合を考えます。ここでは固定費の予算超過は補助部門で差異として別途管理し、製造部門へ追加配賦しないという指定を置きます。実際変動費は120,000円のままです。
区分 | 金額 | 照合の意味 |
|---|---|---|
製造部門への固定費配賦 | 300,000円 | 予算額を指定割合で配る |
製造部門への変動費配賦 | 120,000円 | 予定単価×実際利用量 |
補助部門で別途管理する差異 | 30,000円 | 実際固定費330,000円−予算300,000円 |
合計 | 450,000円 | 実際固定費330,000円+実際変動費120,000円 |
製造部門への配賦額420,000円だけを見て、会社全体の発生費用も420,000円だったと考えないようにします。差異30,000円をどこで管理するかと、費用そのものが発生したかは別の問題です。実際額を配賦する指定や、期末に差異を調整する指定がある問題では、その条件に従います。
固定費が予算通りという別条件で、Aだけが700時間へ利用を減らし、Bは400時間のままだったとします。この指定ではAの固定費200,000円は変わらず、変動費が70,000円となり、配賦合計は270,000円です。Bの配賦額は140,000円のままなので、合計は410,000円です。
実際利用量700:400で固定費30万円を配り直すと、Aの利用減少によりBの負担が増えます。予算利用量による固定費配賦は、このような部門間の負担移動を抑える考え方です。ただし、設備能力を長期に見直す判断と、当月の利用量の変化を混同しないようにします。
予算超過30,000円があっても、直ちに補助部門担当者の非効率とは決められません。価格改定、予想外の修繕、設備能力の変更など、原因と管理権限を確認します。計算では配賦と差異を明確に分け、評価ではその差異を誰がどの期間で管理できたかを考えます。
問題1:例1でAの実際利用が800時間から700時間へ変わった場合、Aの固定費負担は減りますか。解答:この指定では200,000円のままです。変わるのは変動費の80,000円から70,000円への減少です。
問題2:例2で、配賦420,000円と実際発生450,000円の差30,000円を無視してよいですか。解答:無視せず別途差異として把握します。配賦しないことは、費用が存在しないことではありません。