社内振替価格の範囲|単位原価と機会原価を合わせる
社内振替価格は、同じ会社の部門間取引を評価するための価格です。部門ごとの利益と全社の利益を区別し、社内取引が双方にとって受け入れられる価格の範囲を考えます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月28日
社内振替価格は、同じ会社の部門間取引を評価するための価格です。部門ごとの利益と全社の利益を区別し、社内取引が双方にとって受け入れられる価格の範囲を考えます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月28日
供給最低価格の基礎(円/個)=増分原価(円/個)+機会原価(円/個)、買手上限の基礎=同条件外部調達単価
社内振替価格は、同一企業内で供給部門と利用部門の取引を評価するための価格です。外部取引と実際の資源消費が同じなら、価格だけを変えても会社全体の利益は増えません。一方の部門の売上と他方の仕入が対応するため、部門間の利益配分が変わります。
ただし価格制度によって、外販か社内供給か、内製か外部購入かという行動が変われば全社利益にも影響します。短期の取引判断では、供給により増える原価と失う代替利益を基礎に最低価格を考え、買手には同条件の外部調達価格を対応させます。
供給側の状況 | 機会原価の考え方 | 最低価格の基礎 |
|---|---|---|
余剰能力があり、有利な代替用途を失わない | この条件ではゼロ | 増分原価 |
社内供給によって外部販売を失う | 失う外販の限界利益 | 増分原価+機会原価 |
供給の増分原価600円/個、失う外販限界利益200円/個、買手の同条件外部調達価格900円/個とします。追加固定費等はなく、品質・納期・運賃などの条件は既にそろっています。
項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
供給側の最低価格の基礎 | 600+200 | 800円/個 |
買手の上限の基礎 | 同条件の外部価格 | 900円/個 |
100個の社内供給に対し、余剰能力は60個分だけで、残る40個が外販を置き換える別の例です。増分原価600円/個、失う外販限界利益200円/個なら、増分原価総額60,000円と機会原価8,000円、合計68,000円が取引全体の基礎です。平均では680円/個となります。
段階 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
増分原価の総額 | 100×600 | 60,000円 |
失う外販利益の総額 | 40×200 | 8,000円 |
買手の外部価格には運賃、検査、品質差、供給の確実性を必要に応じて調整します。最低価格が上限を超える場合は、無理な社内取引を前提にせず、全社で代替案や能力利用を再検討します。長期の能力維持や固定費回収、公平な業績評価は、短期の受容範囲とは別に設計します。
実際原価を全額転嫁する制度では、供給側の非効率が買手へ移り、改善誘因が弱まる場合があります。標準や責任範囲も確認します。本稿は同一企業内の管理会計を扱う学習例です。確認3問では、機会原価、単価の統一、部門利益と全社利益の違いを扱います。
公認会計士短答式試験 / 管理会計論
社内振替価格の範囲|単位原価と機会原価を合わせる
部門別業績と責任会計
アカウントに保存した回答は、演習履歴と復習予定に反映されます。記事の3問体験は、未ログインでも同じブラウザで7日間、結果を引き継げます。登録・ログイン後に保存してください。
1. 原価計算基準
企業会計審議会(ASBJ掲載)
該当箇所: 1(四)、6(二)5・6
出典を開く失う部分の利益を数量へ対応させる |
対象取引全体の増分負担から算定 |
余剰能力という語だけで機会原価をゼロと決めません。他製品の生産や別部門への供給など、実行可能な有利な用途を失うならその便益も検討します。既存の共通固定費と、取引を選ぶことで新たに増える費用も区別します。
双方が受け入れ得る範囲 |
800以上900以下 |
幅100円/個 |
例えば850円/個を採れば、供給側は基礎となる800円を50円上回り、買手は外部購入900円より50円低くなります。ただし計算は交渉可能な範囲を示すもので、850円を唯一の適正価格と定めるものではありません。
取引全体の負担 |
60,000+8,000 |
68,000円 |
100個に対応する平均単価 | 68,000÷100 | 680円/個 |
600円/個へ8,000円という総額を直接足しては単位が合いません。また680円は100個を一括供給する今回の平均額です。追加1個ごとの限界的な負担や、別の数量での最低単価と常に同じになるわけではありません。
登録せずに試す