取得時評価差額の税効果|税引後純資産とのれんをつなぐ
子会社資産の時価評価が税務価額を変えない場合に、税効果後の評価差額から取得持分とのれんを計算します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月28日
子会社資産の時価評価が税務価額を変えない場合に、税効果後の評価差額から取得持分とのれんを計算します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月28日
最初に押さえる結論と判断規範
子会社資産の時価評価が税務価額を変えない場合に、税効果後の評価差額から取得持分とのれんを計算する。
子会社株式を取得して支配を得るとき、連結上は取得日の識別可能な資産・負債を時価評価します。一方、株式を購入しただけで、子会社が保有する土地や設備の税務価額まで同額に変わるとは限りません。連結価額と税務価額の差が生じるかを資産ごとに確認し、必要な税効果を取得日の純資産へ反映します。
資産の連結価額を増額し税務価額が変わらない場合、通常は将来の回収時に課税所得を増やす一時差異を検討します。将来加算一時差異に対応する繰延税金負債は、取得時の評価差額を減らす方向に働きます。その結果、のれんと非支配株主持分の金額も変わります。
単位は万円です。子会社の取得日帳簿純資産1,000、土地の時価評価増200、税務価額は不変、適用税率30%とします。増額全額が将来加算一時差異で、税効果の非認識の例外には該当しません。親会社は普通株式80%を1,000で取得し、ほかの調整はないとします。
段階 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
評価増に係る繰延税金負債 | 200×30% | 60 |
税効果後の評価差額 | 200−60 | 140 |
税効果後の識別可能純資産 | 1,000+140 | 1,140 |
912万円と228万円の合計が純資産1,140万円へ戻ります。税効果を無視して純資産1,200万円から計算すると、のれんは40万円となり、正しい88万円より48万円小さくなります。この48万円は、税金負債60万円のうち親会社持分80%に対応する額です。
借方の項目 | 金額 | 貸方の項目 | 金額 |
|---|---|---|---|
子会社の帳簿純資産 | 1,000 | 子会社株式 | 1,000 |
土地の評価増 | 200 | 繰延税金負債 | 60 |
この表の純資産は資本金・利益剰余金等をまとめた学習用表示です。実際は各科目へ分けて相殺します。税金負債60万円を計上したうえで、純資産からもう一度60万円を控除して仕訳へ重ねないようにします。
土地なら外部売却など、償却資産なら追加償却に応じて一時差異が解消します。別の例として設備評価増100万円、残存5年、残存価額ゼロ、定額法、税率30%不変なら、1年分の追加償却20万円に対応して繰延税金負債は6万円減ります。取得日だけで終わらず、未償却評価差額と税額を期末へつなぎます。
取り崩した税金負債は、対応する一時差異の解消と同じ期間へ反映します。設備の追加償却を行ったのに税額を取得時のまま据え置くと、期末の一時差異との関係が崩れます。税率等が変わる場合は、その影響も別に検討します。
土地の税効果を反映したためにのれんが増えることと、連結で認識したのれん自体へ税効果を認識することは別です。連結上ののれん・負ののれんについて税効果を認識しない取扱いを確認し、増えたのれんへ再び税率を掛けて負債とのれんを繰り返し増やしません。
本稿は2026年4月1日時点の日本基準です。設例の30%は仮定の税率です。与えられた純資産が税効果反映前か反映後かを先に確かめ、取得対価との比較に使う段階を統一することが、確認3問の要点です。
公認会計士短答式試験 / 財務会計論
取得時評価差額の税効果|税引後純資産とのれんをつなぐ
連結税効果の応用
親会社の取得持分 |
1,140×80% |
912 |
取得時ののれん | 1,000−912 | 88 |
非支配株主持分 | 1,140×20% | 228 |
のれん
88 |
非支配株主持分 |
228 |
合計 | 1,288 | 合計 | 1,288 |
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