分析的手続の期待値と差異調査|比率を出して終わらせない
分析的手続では、数値間の関係から期待値を作り、実績との差を評価します。データの信頼性と期待値の精度を具体例で確認します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
分析的手続では、数値間の関係から期待値を作り、実績との差を評価します。データの信頼性と期待値の精度を具体例で確認します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
分析的手続では、数値間の関係から期待値を作り、実績との差を評価します。データの信頼性と期待値の精度を具体例で確認します。
分析的手続は、財務情報と非財務情報の関係などを用いて、記録された金額を評価する手続です。前年と同じ割合になるはずだと決めつけるのではなく、業務や契約の仕組みから、どの関係が合理的に期待できるかを考えます。
実証手続として利用する場合は、対象のアサーション、評価したリスク、データの信頼性、期待値の精度などを踏まえて適合性を判断します。大まかな傾向の把握に役立つ計算が、そのまま詳細な金額の裏付けになるとは限りません。
予想賃借料を計算するなら、契約件数、月額、契約期間、改定、免除期間などの情報が必要です。計算式が正しくても、契約の一覧に新規店舗が抜けていれば期待値は不完全です。会社作成の資料の正確性や網羅性を確かめることも、分析の信頼性に関わります。
全社合計だけでは、店舗ごとの増減が相殺されることがあります。事業や地域、月ごとに分けると期待値の精度が上がる場合があります。一方、細かく分ければ必ずよいわけではなく、分けることで生じるデータの誤りや不安定さにも注意します。
毎月10万円、年間を通じて同じ条件の物件が5件あれば、単純な年間期待値は600万円です。帳簿が660万円なら、差額60万円をそのまま誤りと決める前に、期中の追加契約、更新料の会計処理、共益費の含め方などを調べます。
経理担当者が「店舗が増えたから」と説明した場合も、契約書や利用開始日などで裏付けます。追加物件が年度末に1か月だけ使われたなら、年間分の増加を説明できないかもしれません。説明が差額の金額と時期をどこまで説明するかを確かめます。
許容できる差異の金額は、結果を見て都合よく広げるものではありません。必要な保証水準や重要性を踏まえ、追加調査を要しない差異の限度を設定します。限度を超える差異や予想に反する関係は、質問とその回答の裏付け、必要な追加手続によって調べます。
よくある誤りは、前年差が小さいというだけで安全と判断することです。取引量も価格も大きく変わったのに売上が同額なら、前年差の小ささ自体が不自然な場合があります。変化すべき理由と変化しない理由の両方を考えます。
売上高が前年と同額なので、売上について追加の検討は不要でしょうか。同額という事実だけでは判断できません。販売数量や単価、事業構成、計上条件の変化を踏まえた期待値と比較し、対象の主張に必要な証拠が得られているかを評価します。
公認会計士短答式試験 / 監査論
監査証拠と監査手続の基本を説明し、問題に答える
監査証拠と監査手続
1. 監査基準報告書520 分析的手続
日本公認会計士協会
該当箇所: 第4〜6項
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