リスク評価手続とリスク対応手続の違い
リスク評価手続は、重要な虚偽表示がどこに生じるかを識別・評価するために行います。質問、分析的手続、観察・閲覧を組み合わせる考え方を示します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
情報を確認した日:2026年10月28日
リスク評価手続は、重要な虚偽表示がどこに生じるかを識別・評価するために行います。質問、分析的手続、観察・閲覧を組み合わせる考え方を示します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
情報を確認した日:2026年10月28日
最初に押さえる結論と判断規範
リスク評価手続は、重要な虚偽表示がどこに生じるかを識別・評価するために行います。質問、分析的手続、観察・閲覧を組み合わせる考え方を示します。
リスク評価手続は、企業や内部統制を理解して、どこに重要な虚偽表示が生じ得るかを識別・評価する手続です。その結果を基に、運用評価や実証手続などのリスク対応を組み立てます。二つの段階を、資料を集める作業という一つの名前でまとめないようにします。
リスク評価はチェック表を埋めるだけの作業ではありません。見つけた事実を、財務諸表全体や個々のアサーションのリスクへ結び付ける必要があります。
手続の種類 | 独自事例での使い方 |
|---|---|
質問 | 新しい返品条件を営業・経理の担当者へ聞く |
分析的手続 | 月別売上や返品率の変化を比較する |
観察 | 実際の出荷・返品受付の流れを見る |
記録・文書の閲覧 | 契約書や社内承認記録を読む |
基準上、リスク評価手続には質問、分析的手続、観察及び記録や文書の閲覧を含めます。質問への回答だけで、全てのリスクの評価を済ませるという考え方ではありません。
新商品の売上が急増した一方、翌月の返品も増えていました。監査人は、返品条件、売上や返品の記録方法、見積りに用いた情報等を理解します。そこから、収益の計上額や返金に関する見積り等へリスクがあるかを検討します。
売上増加という数字だけで不正と決め付けることも、営業担当者の説明だけで問題なしとすることもしません。複数の情報を対応させ、裏付ける情報と矛盾する情報の双方を評価します。
リスク評価で得た証拠が、同時に別の目的を支えることはあります。ただし、企業理解を行っただけで、財務諸表への意見表明に必要な証拠が全てそろうわけではありません。評価したリスクへ対応する追加の監査手続を計画します。
たとえば返品率の上昇を分析したら、返品条件の変更、売上の期間帰属、返金の見積りなど、影響する取引とアサーションへ結び付けます。分析で気になる動きがなかったことだけを理由に、必要なリスク対応がすべて不要になるとは判断しません。新しい証拠が評価と矛盾すれば、評価と対応の両方を見直します。
当初の評価と矛盾する新情報が出た場合、最初の評価を固定したまま進めてよいでしょうか。よくありません。評価の修正と、必要な手続の見直しを検討します。
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