監査計画を見直すきっかけ|新しい事実を手続へ反映する
監査計画は開始時に作って固定する予定表ではありません。新事実や証拠が当初の想定と異なるとき、リスク・手続・資源を見直します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
監査計画は開始時に作って固定する予定表ではありません。新事実や証拠が当初の想定と異なるとき、リスク・手続・資源を見直します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
監査計画は開始時に作って固定する予定表ではありません。新事実や証拠が当初の想定と異なるとき、リスク・手続・資源を見直します。
監査では、事前に入手した情報を基に基本的な方針と詳細な計画を作ります。しかし、取引の変化、予想と異なる手続の結果、新しい情報などによって、その前提が変わることがあります。必要に応じて計画を見直し修正することが求められます。
計画の変更は、最初の計画が無意味だったということではありません。何を重要と考え、どの手続を予定したかが明確だからこそ、新たな情報によってどの部分を変える必要があるかを判断できます。単に日程をずらす変更と、リスクへの対応を変える変更を区別します。
最初に、新しい事実がどの財務諸表項目やアサーションに関係するかを特定します。次に、当初評価した重要な虚偽表示リスクや内部統制への依拠に影響するかを考えます。最後に、手続の種類、時期、範囲と、必要な人員や専門知識などを見直します。
必要な手続が増えたのに、担当者や時間をそのままにすると実施が難しくなります。作業への指揮・監督や査閲の方法も含め、計画を実行できる状態にします。変更した理由が関係する担当者に伝わることも重要です。
監査人は、購買の承認統制が有効に運用されていることを前提に手続を計画していました。ところが運用評価手続で承認記録の欠落が複数見つかりました。監査人は件数だけを追加するのでなく、欠落の原因と期間、統制に依拠できるかを検討します。
統制への依拠を下げるなら、実証手続の内容や範囲を変更する必要があるかを考えます。欠落が特定担当者の不正の可能性を示すなら、その取引群や経営者による対応にも検討を広げるかもしれません。新事実から必要な対応までを連続して考える例です。
重要な計画変更は、その内容と理由を監査調書に記録します。結果として追加した作業の一覧だけでなく、なぜ当初の計画では足りなくなったかを示します。監査責任者による方針と詳細な計画の査閲も必要です。
よくある誤りは、計画書の形式を保つために、実際には変更した手続を記録しないことです。逆に、当初の計画を消して新しい計画だけ残すと、重要な変更の経緯が追えなくなることがあります。必要な記録を保ちながら更新します。
期末に新しい海外子会社を取得しましたが、年初の監査計画では海外事業を予定していませんでした。小規模なら自動的に変更不要でしょうか。規模だけでは判断できません。取引の複雑性、関係する項目、必要な専門知識や監査証拠へのアクセスなどを検討し、方針と計画への影響を判断します。
公認会計士短答式試験 / 監査論
監査計画と計画の見直しの基本を説明し、問題に答える
監査計画と計画の見直し
1. 監査基準報告書300 監査計画
日本公認会計士協会
該当箇所: 第9〜11項
出典を開く