サンプリングリスクとノンサンプリングリスクの違い
一部の取引から全体を判断するために生じるリスクと、手続の選択や実施を誤るリスクを区別します。サンプルを増やせば解決する範囲も確認します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
一部の取引から全体を判断するために生じるリスクと、手続の選択や実施を誤るリスクを区別します。サンプルを増やせば解決する範囲も確認します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
一部の取引から全体を判断するために生じるリスクと、手続の選択や実施を誤るリスクを区別します。サンプルを増やせば解決する範囲も確認します。
監査サンプリングでは、母集団の全項目より少ない項目を調べ、その結果から母集団について結論を導きます。選んだ項目が偶然偏っていたため、全項目に同じ手続を実施した場合とは異なる結論になる可能性を、サンプリングリスクといいます。
これに対し、手続の目的を誤解した、入手した資料を読み違えた、見つけた誤りを認識しなかった、といった別の理由で誤った結論になる可能性はノンサンプリングリスクです。どちらも監査の結論に関わりますが、原因が異なるため対応も分けます。
サンプル数を適切に増やすことは、一般にサンプリングリスクを低くする方向に働きます。ただし、対象となる母集団や抽出方法が適切であることが前提です。特定月の資料だけを多数選んでも、年間全体について結論を出せるとは限りません。
監査サンプリングでは、母集団の各サンプリング単位に抽出される機会があるように選びます。高額取引だけを全て調べる特定項目の抽出は有用ですが、その結果を未抽出の少額取引全体へそのまま当てはめることとは別です。精査、特定項目の抽出、サンプリングを混同しないようにします。
年間の売上から適切な方法で100件選び、偶然、誤りのある取引が一つも含まれなかった場合は、サンプリングリスクを考えます。一方、100件の資料の中に明らかな返品条件が記載されていたのに、監査人が条件を読み落とした場合は、件数不足だけが原因ではありません。
後者で同じ読み方のまま200件へ増やしても、読み落としが続く可能性があります。目的に合う手続の設計、担当者への指示、監督、作業の査閲などが必要です。「件数を増やす」という一つの答えで全てのリスクに対応しようとしないことが重要です。
サンプルで誤りを発見した場合、その内容と原因を調べ、他の取引にも影響していないかを考えます。金額が小さい、担当者が一度だけと言っている、といった理由だけで例外的事象と決めることはできません。母集団を代表しないと判断するには、相応の裏付けが必要です。
詳細テストでは、発見した虚偽表示から母集団の虚偽表示を推定し、サンプリングの結果を評価します。発見額だけを重要性と比べて終わらせると、調べていない部分に関する判断が抜けます。
監査人が証憑の金額欄を別の列と取り違えました。サンプル数を増やせば、このリスクを直接小さくできるでしょうか。実施方法の誤りに対応する必要があります。列の取り違えはノンサンプリングリスクの例であり、手続の明確化や査閲などを検討します。
公認会計士短答式試験 / 監査論
監査証拠と監査手続の基本を説明し、問題に答える
監査証拠と監査手続
1. 監査基準報告書530 監査サンプリング
日本公認会計士協会
該当箇所: 第5〜14項
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