財務諸表監査での内部統制の不備の報告|報告先と伝達方法
財務諸表監査で見つかった重要な不備を、誰に、どのように伝えるかを学びます。内部統制報告制度における「開示すべき重要な不備」との違いも確認します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
財務諸表監査で見つかった重要な不備を、誰に、どのように伝えるかを学びます。内部統制報告制度における「開示すべき重要な不備」との違いも確認します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
財務諸表監査で識別した重要な不備は監査役等へ書面等で報告する。内部統制報告制度の開示すべき重要な不備と同一用語にしない。
監基報二六五は財務諸表監査の過程で識別した内部統制の不備を、監査役等及び経営者へ適切に伝えることを扱います。そこでいう重要な不備は、職業的判断で監査役等の注意を促すに値するほど重要な不備又はその組合せです。内部統制報告制度の開示すべき重要な不備と同じ名称や定義だと決め付けない。基準が違えば目的と報告の相手も異なり得るため、どの制度の用語で評価しているかを明らかにする必要があります。
財務諸表の誤りが実際に識別されなかったから不備がないとは限りません。誤りが生じる可能性と潜在的な影響の大きさも重要になります。例えば承認が機能しないが偶然誤入力が発生しなかった場合、将来の誤りを防ぐ統制が不足する状況は残ります。単独の不備と、同じ残高や主張へ影響する複数不備の組合せを考えます。一つの小さな問題として見えるものが、他の統制の不足と合わさると監査役等へ伝えるに値することがあります。
監査で識別した重要な不備は適時に書面又は電磁的記録で監査役等へ報告します。急いで改善を促すため先に口頭で知らせる場合もあるが、それによって書面等の報告は免除されません。適切な階層の経営者にも重要な不備を報告し、その他の不備でも注意を促すに値し既に適切に報告されていないものを伝える。経営者への直接報告が適切でない状況の例外もあるため、経営者本人の誠実性に関係する問題なら報告経路を慎重に検討します。
報告には不備の内容と見込まれる影響を説明し、受け手が報告の前提を理解するため十分な情報を含めます。財務諸表監査の目的は財務諸表への意見表明であり、統制を検討するのは適切な監査手続を設計するためであって、二六五の報告自体で内部統制の有効性へ意見を出すものではないと示します。また報告するのは監査で識別し重要と判断した事項に限られます。不備の報告書があるだけで、会社の全ての不備を網羅的に調査した証明とはなりません。
過年度に重要な不備を伝えていても、まだ是正されていなければ報告を繰り返す必要性はなくなりません。以前の報告を参照する方法なども考えられるが、報告済みの印だけで問題を閉じない。会社が費用の理由で修正しない選択をした場合でも、重要な不備の伝達要求は適用されます。費用と便益の評価は経営者、その監視は監査役等の役割であり、監査人は必要な情報を伝える。適切な経営者の階層は、不備を評価し是正する責任と権限を持つかで判断します。発見、重要性の判断、相手の選定及び報告の形と時期を整理し、財務諸表監査の結論にも関係付ける。
公認会計士短答式試験 / 監査論
財務諸表監査での統制不備の報告|265の重要な不備
内部統制報告と監査の判断
1. 監査基準報告書265「内部統制の不備に関するコミュニケーション」
日本公認会計士協会
該当箇所: 第1〜10項、A5〜A8項、A14〜A20項
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