内部統制報告制度の対象|経営者評価と監査の二段階
内部統制報告制度は財務報告の信頼性が対象となります。経営者が期末日現在を評価して報告し、監査人はその評価結果の表示へ意見を表明します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
内部統制報告制度は財務報告の信頼性が対象となります。経営者が期末日現在を評価して報告し、監査人はその評価結果の表示へ意見を表明します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
内部統制報告制度は財務報告の信頼性が対象となる。経営者が期末日現在を評価して報告し、監査人はその評価結果の表示へ意見を表明する。
内部統制の基本的な枠組みは報告の信頼性などを目的とし、非財務情報や組織内部への報告を含む広い概念です。他方、金融商品取引法の内部統制報告制度は財務報告の信頼性を対象とします。二〇二三年の改訂で基本枠組みの目的が広がったことだけで、全ての非財務情報が同制度の監査対象になったとはいえません。財務報告には財務諸表だけでなく、その信頼性に重要な影響を及ぼす開示事項等の外部報告も含まれるため、主要表だけの制度とも考えません。
経営者は内部統制を整備・運用し、必要な範囲の有効性を自ら評価して内部統制報告書に示します。評価は原則として連結ベースで行い、期末日現在の状態を判断します。監査人が横にいて助言することがあっても、評価の範囲と手続を決定して評価結果を表す責任は経営者に残ります。例えば経理部が監査人の案をそのまま評価報告としただけなら、会社自身が必要な根拠を把握しているかが問題になります。
我が国の内部統制監査では、経営者が作成した内部統制報告書が評価結果を全ての重要な点で適正に表示しているかについて意見を表明します。監査人が経営者の評価を介さず、内部統制そのものへ直接の有効性意見を出す直接報告業務とは区別されます。したがって内部統制が有効でないと会社が正しく評価し報告している場合にも、報告書への無限定適正意見が成り立つ。意見の対象を読み違えないことが重要になります。
内部統制監査は原則として同一の監査人が財務諸表監査と一体として実施します。同一の監査人は監査事務所だけでなく業務執行社員も同一であることを意味します。双方の過程で得た監査証拠を利用することがあるため、別々に同じ情報を集め直す必要が常にあるわけではありません。しかし対象は財務諸表と内部統制報告書で異なり、二つの意見が必ず同じ類型になるという意味ではありません。証拠を共通に使うことと結論を同一にすることは別です。
内部統制報告書は期末日現在の有効性を評価するため、期中に問題があっても期末までに適切に是正されている場合と、期末後に直した場合は区別します。また有効とは、適切な枠組みに沿って整備・運用され開示すべき重要な不備がないことであり、小さな不備が全く存在しないことまで意味しません。適正な報告書への監査意見も合理的な保証に基づきます。将来の全ての不正や誤りが起こらないと約束するものではありません。二段階の制度、対象となる報告及び評価時点を先に押さえると、評価結果と監査意見の関係を正確に理解しやすくなります。
公認会計士短答式試験 / 監査論
内部統制報告制度の対象|経営者評価と監査の二段階
内部統制報告と監査の判断
1. 財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準・実施基準(2023年改訂)
企業会計審議会(金融庁)
該当箇所: 意見書 二(1)①、基準Ⅱ1・2・3、基準Ⅲ1・2
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