専門家の業務の利用|依頼・評価・報告上の責任
専門家の業務を利用する場合も、監査人はその結果が監査の目的に合うかを評価します。仮定やデータの検討と、監査意見に対する責任を学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
専門家の業務を利用する場合も、監査人はその結果が監査の目的に合うかを評価します。仮定やデータの検討と、監査意見に対する責任を学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
会計・監査以外の専門家を使う際も目的適合性を判断し、結果・仮定・データを評価する。利用によって意見表明責任は分割されない。
監基報六二〇の監査人の利用する専門家は、監査証拠を得るために会計又は監査以外の専門分野の知識を提供する個人又は組織です。内部の専門家も外部の専門家も含まれます。他方、会社が財務諸表を作るため使う専門家は経営者の利用する専門家であり、役割を区別します。例えば退職給付債務の測定で会社が依頼した数理人と、その測定を検証するため監査人が使う数理人は同じ役割ではありません。専門家という名称だけで適用する要求を決めない。
監査人は目的に照らした適性、能力及び客観性を評価します。外部の専門家については、客観性を妨げる可能性のある利害関係を質問します。資格を持つことは関連情報になるが、その業務分野への経験や、特定の会社との関係の問題を自動的に解消しません。監査人自身も依頼内容と結果の適切性を判断できるよう専門分野を十分に理解する必要があります。同じ専門家になりきることではなく、目的に必要な業務を定め評価するための理解です。
業務の内容、範囲及び目的、双方の役割と責任、報告方法を含むコミュニケーション並びに秘密保持について合意します。適切な場合には書面又は電磁的記録を用います。例えば土地の評価を頼むとき、どの物件、どの時点、どの前提による評価が必要かが曖昧なら、完成した報告書が監査目的に合わない可能性があります。資格者へ依頼したから細かな目的は伝えなくてよい、という進め方を避ける。合意内容は後の評価の基準にもなります。
結論の適合性と合理性、他の監査証拠との整合性を評価し、重要な仮定と方法がある場合はその適合性と合理性も検討します。基礎データが重要なら目的適合性、網羅性及び正確性を確認します。例えば評価モデルが適切でも投入する対象物件の面積が違えば、目的に合う結果とはいえません。業務が適切でないと判断した場合は、専門家の追加業務について合意するか、監査人自身が状況に適切な追加手続を行います。専門家の結論を調書へ添付するだけで評価を済ませない。
監査意見には監査人が単独で責任を負います。六二〇は無限定意見の報告書で専門家の業務を利用した旨を記載しないことを要求します。除外事項付意見の理由に関係するため言及する場合でも、その記載で監査人の責任が軽減しない旨を示します。ただしKAMの監査アプローチに専門家の利用を記述することは、七〇一の適用指針が扱う別の状況であり、無限定意見でも記載することがあります。この場合も責任を軽減しません。利用したから責任を分担したという説明をしてはなりません。依頼、評価及び報告のいずれの段階でも、専門家の業務が監査人の目的を満たすかを判断する主体は監査人です。
公認会計士短答式試験 / 監査論
専門家の業務の利用|依頼・評価・報告上の責任
グループ監査と他者の作業の利用