後発事象の点検|期末日から監査報告書日まで
期末日から監査報告書日までの事象を調べ、期末の状況を裏付ける情報か、その後に生じた新しい状況かを判断します。必要な監査手続と会計処理の関係を学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月28日
期末日から監査報告書日までの事象を調べ、期末の状況を裏付ける情報か、その後に生じた新しい状況かを判断します。必要な監査手続と会計処理の関係を学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月28日
最初に押さえる結論と判断規範
期末後の発生時点だけで処理を決めず、期末の状況への証拠か新しい状況かを識別し、報告書日まで必要な手続を行う。
後発事象の検討では、財務諸表の期末日、監査報告書日、財務諸表の発行日を分けます。監査報告書日までの手続と、その日を過ぎてから重要な事実を知った場合の対応では、責任の内容が異なります。日付を一つにまとめると、どこまで調べ、何を受けて対応するかを取り違えます。
ここでは2026年4月1日時点の適用基準を前提に、期末日の翌日から監査報告書日までを中心に説明します。財務諸表の発行日は、監査報告書と監査した財務諸表を第三者が入手可能になる日です。単に社内で資料を完成した日とは区別します。
日付 | 事実 | 監査上の位置付け |
|---|---|---|
2026年3月31日 | 決算日 | 期末の状況を測定する基準日 |
2026年4月15日 | 主要顧客の倒産が判明 | 期末の回収可能性との関係を調べる |
2026年5月10日 | 期末後に新たな災害が発生 | 期末に存在しなかった状況かを確認 |
主要な往査が5月末に終わっていても、6月20日までの点検を形式的に打ち切りません。反対に、6月20日以後のすべての情報を探索し続ける義務が無期限に続く、という理解でもありません。報告書日後に事後判明事実を知った場合の対応を分けて学びます。
4月15日に倒産した顧客が、3月末に既に深刻な資金難にあったとします。倒産という知らせは4月ですが、その情報が期末の債権評価について追加の証拠を与えるなら、3月末の貸倒見積りへどう反映すべきかを検討します。知らせを受けた月だけで、すべて翌期の損失と決めません。
監査人は債務者の状況、延滞、期後の入金、担保等の資料を調べ、適用する会計上の扱いに従って修正の要否と金額を確かめます。倒産という語があるだけで、担保や保証による回収まで一律にゼロとするわけではありません。
5月10日に新しく発生した災害によって工場が損傷した場合、その損傷が期末には存在しなかった条件なら、損失を機械的に3月末へさかのぼらせません。一方で、重要な事象として注記が必要かを検討します。修正しないことと、利用者への説明も不要であることは同じではありません。
判断する問い | 確認する内容 |
|---|---|
期末に状況が存在していたか | 発生日と判明日を分けて調べる |
期末の測定へ追加の証拠を与えるか | 債権評価などの修正の要否 |
期末後に新たに生じた重要な事象か | 必要な開示とその内容 |
会計上の処理・開示は適切か | 適用枠組みと重要性に照らして確認 |
監査人は、会社が後発事象を識別する手続を理解したうえで、経営者等への質問、期末後の議事録の閲覧、利用可能な翌年度の月次財務諸表等の検討を行います。議事録が未作成なら、資料ができるまで待つだけでなく、討議された事項を質問する必要があります。
他の手続で既に検証した期後入金などは、その証拠を後発事象の判断へ結び付けます。同じ確認を形式的に重ねることより、必要な事象を漏れなく把握し、会計上の処理・開示へ適切に反映したかが重要です。経営者確認書も求めますが、それだけで必要な他の証拠を置き換えません。
6月22日に、報告書日現在に知っていれば報告書を修正する原因となった可能性がある事実を知ったとします。これは、6月20日までに実施する通常の後発事象手続とは別に、経営者等との協議、財務諸表の修正の必要性、修正される場合の監査手続などを検討する場面です。発行前か発行後かも確認します。
問題1:3月末に既に悪化していた債務者について4月に倒産を知りました。必ず翌期だけの問題ですか。解答:期末の状況を裏付ける証拠かを検討する必要があります。判明日だけで年度を決めません。
問題2:監査報告書日が6月20日なのに、往査終了日5月31日までしか後発事象を点検していません。十分ですか。解答:6月20日までを対象とする必要な手続を検討・実施します。
公認会計士短答式試験 / 監査論
後発事象の点検|期末日から監査報告書日まで
監査の完了と継続企業
1. 監査基準報告書560「後発事象」
日本公認会計士協会
該当箇所: 第2〜8項(後発事象・監査手続)、第9項以降との区分
出典を開く2026年6月20日 |
監査報告書日 |
ここまでの後発事象を対象に手続 |
2026年6月25日 | 財務諸表の発行日 | 報告書日後に知った事実は別の対応を検討 |