役員等の対会社責任|任務・会社損害・因果関係
423条1項は役員等の任務懈怠によって会社に生じた損害の賠償を定めます。経営の失敗、株主の損失、第三者の請求を同じものにしません。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
423条1項は役員等の任務懈怠によって会社に生じた損害の賠償を定めます。経営の失敗、株主の損失、第三者の請求を同じものにしません。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
423条1項は役員等の任務懈怠によって会社に生じた損害の賠償を定める。経営の失敗、株主の損失、第三者の請求を同じものにしない。
本稿は2026年4月1日時点の会社法を前提とします。423条1項の役員等は取締役だけでなく会計参与、監査役、執行役及び会計監査人を含む。請求権を持つのは損害を受けた会社です。監査役と会計監査人が責任主体に含まれるからといって日常の営業判断まで同じ任務を負うわけではありません。問題となる者の具体的職務を確かめ、肩書が役員だからすべての会社損失に同じ責任を負う、と判断しません。
投資が失敗して会社に損失が出たことだけで、任務を怠ったことが自動的に認められるわけではありません。必要な情報収集や法令・定款の遵守など、問題となる任務の内容と履行状況を検討します。他方、会社全体が黒字でも個別の任務違反と損害がないとはいえません。結果だけで責任を決めると、損失発生と任務懈怠という異なる要件を一つにしてしまう。利益相反等の推定がある場合は一般原則にその特則も重ねて検討します。
条文が対象とするのは任務懈怠によって生じた損害です。例えば不適切な支出と、それと無関係に生じた市場価格下落の損失があるなら、両者の原因を分けます。違反が一つ見つかったことから、会社の過去の全損失をその役員へ無条件に負担させる制度ではありません。会社の財産減少と株価の下落も請求権の帰属が違い得る。設例では何の損害を誰が請求しているかを先に書き、その行為との関係を示します。
430条は、複数の役員等が同じ損害を賠償する責任を負う場合に連帯債務者とします。先に各人の責任成立を確認する必要があり、同じ日に在任していた全員へ当然に責任を作る規定ではありません。また連帯だから損害額を人数倍に回収できるものでもない。各人の責任があるか、同一の損害か、連帯の効果は何かという順に整理します。一人が無関係な職務であった事例では、その人自身の任務懈怠等を省略しません。
責任の事例では、役員の地位、具体的な職務、問題となる行為、損害を受けた者、損害と行為の関係を順に確認します。会社と株主個人、会社の取引先は別の主体であり、誰への責任を問うかで適用条文が変わります。責任が成立しないという判断と、成立する責任の免除又は限定を受ける判断も異なります。株主総会や取締役会で何らかの承認があったというだけで、すべての責任が消えるとは考えません。問題に示されていない悪意・過失や因果関係を補わず、各制度の要件に該当する事実を具体的に示します。
公認会計士短答式試験 / 企業法
役員等の対会社責任|任務・会社損害・因果関係
役員の責任と責任追及
1. 会社法
デジタル庁 e-Gov
該当箇所: 423条1項、424条、425条1項、427条1項、430条
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