役員の第三者責任|悪意・重過失と虚偽記載の特則
会社法429条に基づく役員等の第三者に対する責任を学びます。職務執行に関する悪意・重過失を要する1項と、所定の虚偽記載等を対象とする2項を比較します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
会社法429条に基づく役員等の第三者に対する責任を学びます。職務執行に関する悪意・重過失を要する1項と、所定の虚偽記載等を対象とする2項を比較します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
429条1項は職務執行に関する悪意又は重過失による第三者損害を扱い、同条2項は所定の虚偽記載等と注意を怠らなかった証明に関する特則を置く。
2026年4月1日時点の会社法429条は役員等の第三者への損害賠償責任を定めます。会社が代金を払えないからといって取締役全員が当然に保証人となるわけではありません。一方、会社の法人格があるから役員個人に一切責任が生じないという理解も誤りです。会社の契約債務と、役員の行為による法定責任を分けます。取引先が誰にどの損害を請求するのかを示し、会社の支払能力だけで責任を決めない。
429条1項は役員等が職務を行うについて悪意又は重大な過失があり、それによって第三者損害が生じたことを求めます。単に会社が赤字である、取締役が報酬を受ける、といった事情だけではこの条件を満たさない。問題となる具体的職務と違反の程度、損害、因果関係を確認します。会社に対する423条の条件を第三者へそのまま適用するのではなく、誰への責任かに応じた条文を使うことが重要です。
429条2項は、取締役等による所定の募集通知や募集資料、計算書類等の重要な虚偽記載、虚偽の登記・公告などを掲げる。会計参与、監査役等、会計監査人には各職務の書類に応じた類型があります。すべての資料の小さな誤記を無条件に対象とする規定ではありません。誰がどの書類にどの重要な事項を記載したかを確認します。会計監査人の会計監査報告と、取締役の事業報告そのものを同じ対象書類として扱いません。
2項ただし書では本人が当該行為について注意を怠らなかったことを証明した場合の免責を定めます。故意ではなかったと述べるだけで常に足りるわけではありません。会社と役員の間で423条責任を免除する合意があっても、それだけで第三者の429条請求権が消えるものではありません。同じ第三者損害に複数役員の責任が成立すれば430条の連帯も確認します。成立要件、証明による免責、他者との関係を順に分けます。
責任の事例では、役員の地位、具体的な職務、問題となる行為、損害を受けた者、損害と行為の関係を順に確認します。会社と株主個人、会社の取引先は別の主体であり、誰への責任を問うかで適用条文が変わります。責任が成立しないという判断と、成立する責任の免除又は限定を受ける判断も異なります。株主総会や取締役会で何らかの承認があったというだけで、すべての責任が消えるとは考えません。問題に示されていない悪意・過失や因果関係を補わず、各制度の要件に該当する事実を具体的に示します。
公認会計士短答式試験 / 企業法
役員の第三者責任|悪意・重過失と虚偽記載の特則
役員の責任と責任追及
1. 会社法
デジタル庁 e-Gov
該当箇所: 429条1・2項、430条
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