毎年異なるキャッシュ・フローのNPV|時点別に割り引く
年ごとの収入が異なる設備投資について、各年末の金額を現在価値へ直して合計します。一律の年金現価係数を使えない場合の手順を学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
年ごとの収入が異なる設備投資について、各年末の金額を現在価値へ直して合計します。一律の年金現価係数を使えない場合の手順を学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
NPV=各年の正味キャッシュ・フロー÷(1+割引率)の年数乗の合計−初期投資額
端数処理例題は表示した条件で計算し、端数処理を行う箇所は本文に示します。
補足金額・数量・期間の単位をそろえて計算します。
正味現在価値(NPV)は、将来の正味キャッシュ・フローを同じ評価時点の価値へ直し、初期投資支出と比較する方法です。毎年の金額が異なる場合には、同額の年金を前提とする係数を一律に使わず、年ごとに割り引いて合計します。
ここでは民間設備の金銭収支を想定し、評価時点を取得直前、各年の正味キャッシュ・フローを年末発生とします。国土交通省の資料は割引計算と評価指標の考え方を確認するために参照しており、公共事業の社会的割引率を民間設備へ一律に当てはめるものではありません。例題の10%は計算条件として設定した率です。
初期投資は1,000,000円です。年末の正味収入は1年目300,000円、2年目400,000円、3年目600,000円とし、3年目の金額には終期の売却収入などもすべて含まれているものとします。税金は考慮せず、割引率は年10%です。
1年目の現在価値は300,000円÷1.1=272,727.27…円、2年目は400,000円÷1.1の2乗=330,578.51…円、3年目は600,000円÷1.1の3乗=450,788.88…円です。丸めずに合計すると1,054,094.67…円となり、NPVは約54,095円です。最終結果を円未満四捨五入しています。
正味収入を単純に足すと1,300,000円、初期投資との差は300,000円です。しかし、この300,000円は資金の時間価値を反映していません。将来の回収が遅いほど現在価値が小さくなるため、同じ回収総額でも年ごとの配分によってNPVは異なります。
初期投資は評価時点の支出なので割り引きません。1年目末の収入を0年目として扱ったり、すべてを3年目末として割り引いたりしないよう、時点を表にすると整理しやすくなります。
この条件でNPVが正であることは、設定した割引率で求める収益を上回る金銭価値が見込まれることを示します。ただし、予測収入が確実に得られることを保証するものではありません。販売量、単価、修繕費、稼働期間などの予測が変われば再計算します。
名目金額の収支に対して実質の割引率を使うなど、物価上昇の扱いが不統一にならないよう注意します。金額と割引率の通貨、期間、税引前・税引後の条件もそろえます。
数値を変えて確かめる
公認会計士短答式試験 / 管理会計論
設備投資と現在価値の基本を説明し、問題に答える
設備投資と現在価値
会計上の利益をそのまま正味収入にする、支払利息を収支へ含めながら同じ資金調達コストを割引率にも重ねる、各年を早期に丸めすぎる誤りに注意します。
初期投資100,000円、1年後の回収110,000円、割引率10%ならNPVはいくらでしょうか。答えは0円です。110,000円÷1.1=100,000円となり、必要な収益率とちょうど一致します。