製造間接費の三差異分析|予算・能率・操業度の関係
製造間接費差異を、予算差異・能率差異・操業度差異に分けます。分析方式による式の違いを確認し、三つの差異の合計が総差異と一致することを確かめます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月28日
製造間接費差異を、予算差異・能率差異・操業度差異に分けます。分析方式による式の違いを確認し、三つの差異の合計が総差異と一致することを確かめます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月28日
総配賦率方式:予算差異=実際額-(固定予算+変動率×実際時間)、能率差異=(実際時間-標準時間)×(変動率+固定率)、操業度差異=(基準時間-実際時間)×固定率
製造間接費の差異分析では、実際に発生した金額と、実際の生産量に対応する標準配賦額との差を、支出・能率・能力利用の観点へ分けます。三分法には複数の分解方式があるため、能率差異の式だけを別方式へ入れ替えると合計が一致しなくなります。
時間の種類 | この設例の値 | 意味 |
|---|---|---|
基準時間 | 1,000時間 | 固定費率を設定する能力の基礎 |
実際時間 | 900時間 | 実際に使った作業時間 |
許容標準時間 | 800時間 |
許容標準時間は、期首の予算生産量に対応する時間ではありません。実際の生産量へ標準時間を当てはめて求めます。名称だけで三つを置き換えず、何を一定にした比較なのかを確認します。
固定費予算600,000円、基準1,000時間、変動費率400円/時間、実際900時間、許容標準800時間、実際発生額1,000,000円です。不利差異を正の金額で表示し、中間値・最終額とも端数はありません。
固定費率は600,000円÷1,000時間=600円、総配賦率は400円+600円=1,000円です。標準配賦額は800時間×1,000円=800,000円なので、総差異は1,000,000円−800,000円=200,000円となります。
差異 | 算式 | 金額 |
|---|---|---|
予算差異 | 1,000,000円−(600,000円+400円×900時間) | 40,000円・不利 |
能率差異 | (900時間−800時間)×1,000円 | 100,000円・不利 |
差異 | 算式 | 金額 |
|---|---|---|
予算差異 | 1,000,000円−(600,000円+400円×900時間) | 40,000円・不利 |
能率差異 | (900時間−800時間)×400円 | 40,000円・不利 |
方式Bの能率差異40,000円と、方式Aの操業度差異60,000円を組み合わせると、予算差異40,000円を足しても140,000円にしかなりません。総差異200,000円との差60,000円は、固定費率600円×(実際900時間−標準800時間)です。計算前に採用方式を明記すると、この抜けを防げます。
反対の組合せでは同じ部分を二重に数えます。差異名だけを暗記せず、どの時間差へどの率を掛けたかを表へ戻して確かめます。合計が実際額と標準配賦額の差へ一致することが、重要な検算です。
操業度差異は固定費の配賦の過不足を表すもので、同額の現金を余分に払ったという意味ではありません。予算差異でも、単価改定や修繕などの事情を調べます。時間の能率、受注不足による能力利用、支出の原因を分け、管理者の権限に応じた対策を考えます。
問題1:方式Aで能率差異の率を400円へ変え、操業度差異の式をそのままにしてよいですか。解答:できません。差異合計が140,000円となり、総差異に対して60,000円不足します。
問題2:二方式で操業度差異が60,000円と120,000円に違っても、実際発生額が変わったのでしょうか。解答:変わっていません。固定費の能率に対応する部分をどちらへ含めたかが違います。
公認会計士短答式試験 / 管理会計論
製造間接費の三差異|総配賦率方式の橋渡し
標準原価差異の応用分析
1. 原価計算基準
企業会計審議会(ASBJ掲載)
該当箇所: 第41項(三)、第46項(四)(製造間接費の標準・差異分析)。二方式の区分と符号は独自設例。
出典を開く実際の生産量を標準能率で作る場合の時間 |
操業度差異
(1,000時間−900時間)×600円 |
60,000円・不利 |
合計 | 40,000円+100,000円+60,000円 | 200,000円・不利 |
この方式の能率差異には、変動費率400円と固定費率600円の両方を含めます。操業度差異は基準時間と実際時間の差で求めるため、二つを組み合わせて使います。
操業度差異
(1,000時間−800時間)×600円 |
120,000円・不利 |
合計 | 40,000円+40,000円+120,000円 | 200,000円・不利 |
方式Bでは、実際時間と許容標準時間の差に対応する固定費部分60,000円が、方式Aと違って操業度差異側へ含まれます。総差異が変わったのではなく、二つの差異への分け方が変わっています。