小口現金の補給額・残高の計算
定額資金前渡制で、小口現金の前渡額、支払報告、未報告の領収書、実際有高を照合し、補給額と現金過不足を求める手順を解説します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
情報を確認した日:2026年10月24日
定額資金前渡制で、小口現金の前渡額、支払報告、未報告の領収書、実際有高を照合し、補給額と現金過不足を求める手順を解説します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
情報を確認した日:2026年10月24日
証憑に基づく支払額 = 報告済み支払額 + 未報告だが確認できた支払額
予定残高 = 定額資金前渡額 - 証憑に基づく支払額
現金過不足差額 = 実際有高 - 予定残高
補給額 = 定額資金前渡額 - 実際有高
証憑に基づく支払額 = 報告済み支払額 + 未報告だが確認できた支払額
証憑に基づく予定残高 = 定額資金前渡額 − 証憑に基づく支払額
現金過不足差額 = 実際有高 − 証憑に基づく予定残高
定額へ戻す補給額 = 定額資金前渡額 − 実際有高
現金過不足がない場合は、補給額と証憑に基づく支払額が一致します。現金不足がある場合は、補給額が証憑の合計より不足額だけ大きくなります。
単位:円
端数処理通常は円単位で支払額を合計する。外貨や按分を含む場合は問題文の端数処理指定に従う。
補足定額資金前渡制では、補給額は定額資金前渡額と実際有高の差で求める。証憑合計との差は現金過不足の有無を示す。
定額資金前渡制における小口現金の前渡額、支払報告額、未報告の領収書、実際有高を時系列で整理し、補給額を計算できるようになります。実際有高と証憑から計算した残高が一致しない場合には、現金不足または現金超過も判定します。
定額資金前渡制は、あらかじめ定めた小口現金額を小払係へ渡し、支払った金額と同額を補給して、補給後の小口現金を一定額へ戻す方法です。インプレスト・システムとも呼ばれます。
小口現金の支払報告と補給は別の処理です。まず、領収書や支払報告に基づいて費用を計上し、小口現金を減少させます。その後、支払額を補給して小口現金を定額へ戻します。
小口現金の定額資金前渡額は80,000円です。月末に小払係から次の支払報告を受けました。
公認会計士短答式試験 / 財務会計論
現金・小口現金の基本を説明し、問題に答える
現金・小口現金
公認会計士短答式試験 / 財務会計論
小口現金の補給額・残高の計算
現金・小口現金
1. 企業会計審議会 企業会計原則・同注解
企業会計審議会(ASBJ掲載)
該当箇所: 本文で扱う認識・測定と計算条件に対応する規定
出典を開く報告額 |
|---|
旅費交通費 | 12,500円 |
通信費 | 8,400円 |
消耗品費 | 14,300円 |
報告済み合計 | 35,200円 |
報告書には未記載ですが、当月中に支払った水道光熱費4,800円の領収書が別に見つかりました。実際に残っている小口現金は40,000円です。報告・補給を同日に行うものとして、支払額、過不足、補給額、仕訳を求めます。
報告済み35,200円に、領収書で確認できた未報告の水道光熱費4,800円を加えます。
証憑に基づく支払額 = 35,200円+4,800円 = 40,000円
未報告であっても、領収書から支払内容と金額が確認できる場合は、現金不足ではなく対応する費用として処理します。
証憑に基づく予定残高 = 80,000円−40,000円 = 40,000円
実際有高も40,000円なので、現金過不足はありません。
現金過不足差額 = 40,000円−40,000円 = 0円
補給額 = 80,000円−40,000円 = 40,000円
補給後の小口現金は、40,000円+40,000円=80,000円となります。
(借)旅費交通費 12,500
(借)通信費 8,400
(借)消耗品費 14,300
(借)水道光熱費 4,800 /(貸)小口現金 40,000
(借)小口現金 40,000 /(貸)当座預金 40,000項目 | 金額 |
|---|---|
定額資金前渡額 | 80,000円 |
証憑に基づく支払額 | 40,000円 |
実際有高 | 40,000円 |
現金過不足 | 0円 |
補給額 | 40,000円 |
補給後残高 | 80,000円 |
補給前は、次の関係が成立します。
定額資金前渡額80,000円 = 実際有高40,000円+支払額40,000円
補給後は、次のように定額へ戻ります。
実際有高40,000円+補給額40,000円 = 80,000円
定額資金前渡額80,000円そのものを補給額にする。
報告書にない領収書を確認せず、直ちに現金不足とする。
補給前の実際有高を無視し、報告済み支払額だけで補給する。
支払報告と補給を同じ処理だと考え、費用計上を省略する。
現金不足があるのに、証憑合計と同額だけを補給し、定額まで戻さない。
補給後残高が定額資金前渡額と一致するか確認しない。
定額資金前渡額は60,000円です。当月の支払報告は、旅費交通費14,500円、消耗品費11,200円、通信費7,800円、雑費5,200円です。実際有高は21,300円です。
現金過不足と補給額を求めてください。
定額資金前渡額は100,000円です。領収書・支払報告から確認できる当月支払額は62,800円ですが、実際有高は36,500円でした。差額の原因は決算日まで判明しません。
現金不足または現金超過、定額へ戻す補給額、支払報告時と補給時の仕訳を求めてください。支払内容は全額を営業費とします。
支払額 = 14,500円+11,200円+7,800円+5,200円 = 38,700円
予定残高 = 60,000円−38,700円 = 21,300円
実際有高も21,300円なので、現金過不足はありません。
補給額 = 60,000円−21,300円 = 38,700円
補給額と支払額が一致し、補給後残高は60,000円です。
証憑に基づく予定残高は次のとおりです。
予定残高 = 100,000円−62,800円 = 37,200円
実際有高は36,500円なので、700円の現金不足です。
現金不足額 = 37,200円−36,500円 = 700円
定額へ戻すために必要な補給額は、証憑合計ではなく実際有高との差で求めます。
補給額 = 100,000円−36,500円 = 63,500円
(借)営業費 62,800
(借)現金過不足 700 /(貸)小口現金 63,500
(借)小口現金 63,500 /(貸)当座預金 63,500決算日まで原因が判明しない現金過不足700円は、決算整理で雑損へ振り替えます。
借方
貸方
支払報告を受けたものの、決算日現在まだ補給していない場合は、費用計上後の小口現金残高が実際有高と一致しているかを確認し、補給仕訳は翌期に行います。
不定額前渡制では、補給後残高を一定額へ戻すとは限りません。このページの補給額公式は、定額資金前渡制であることが問題文から確認できる場合に使用します。