余剰能力がある場合の追加受注|増分利益の計算
通常価格を下回る追加注文を、受注で増える収益と費用から検討します。既存の固定費を一律配賦した単価と、受注判断の違いを学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
通常価格を下回る追加注文を、受注で増える収益と費用から検討します。既存の固定費を一律配賦した単価と、受注判断の違いを学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
追加受注の増分利益=追加売上高−追加変動費−追加固定費
端数処理例題は表示した条件で計算し、端数処理を行う箇所は本文に示します。
補足金額・数量・期間の単位をそろえて計算します。
追加注文を受けるかどうかを考えるときは、受注する場合と受注しない場合で変わる将来の収益・費用を比べます。通常の製品原価へ配賦された固定費のすべてが、注文を断れば節約できるとは限りません。逆に、追加注文だけに必要な型代や検査費があるなら、それらを含める必要があります。
この例では、生産設備と人員に余力があり、追加注文を受けても通常販売を減らさず、既存の固定費も変わらないと仮定します。価格が他の顧客へ波及する影響や、長期契約への影響はないものとします。これらの前提が異なる場合は計算条件を変えます。
通常の販売価格は1,500円、1個当たり変動費は700円です。固定費を配賦した全部原価は1個1,100円ですが、余剰能力を使う追加注文300個が1個900円で提示されました。追加包装費は1個50円、注文専用の準備費は20,000円です。
追加売上高は270,000円、追加変動費は750円×300個=225,000円です。準備費20,000円を引いた増分利益は25,000円です。通常の全部原価1,100円より提示価格が安くても、この条件では受注によって会社全体の利益は25,000円増えます。
増分利益が0円となる価格は、1個当たり変動費750円に準備費20,000円÷300個を足した約816.67円です。円単位の単価なら817円以上が、増分利益を負にしない条件になります。ただし、この金額は長期的にすべての販売へ適用できる価格ではありません。
計算に含めた通常の変動費700円が、本当に追加生産に応じて発生するかも確認します。残業割増や追加運賃が必要なら増分費用へ加え、すでに支払いが確定し代替利用もできない材料がある場合は、その将来の処分価値等を別に検討します。
余力があるといっても、検査工程や出荷設備だけが混雑している場合があります。追加受注が通常顧客の納期や品質に影響しないか、工程全体で確認します。支払条件、回収可能性、返品負担も利益予測へ関係します。
通常顧客が安い価格を要求するようになれば、既存売上の利益を失う可能性があります。「既存販売へ影響がない」という前提を、判断の対象期間と販売先の関係から点検します。
数値を変えて確かめる
公認会計士短答式試験 / 管理会計論
設備投資と現在価値の基本を説明し、問題に答える
設備投資と現在価値
1. 原価計算基準
企業会計審議会(ASBJ掲載)
該当箇所: 第一章 一・二・四・八
出典を開く配賦固定費を自動的に増分費用へ含める、専用準備費を見落とす、追加包装費を通常変動費と二重計上する誤りに注意します。費用の名称だけでなく、注文の有無による差を確かめます。
同じ条件で提示単価が800円なら、増分利益は800円×300個−225,000円−20,000円=−5,000円です。この金銭条件だけで比べると、受注しない方が利益は5,000円高くなります。