吸収合併の契約と効力|承継先・対価受取人・承認
吸収合併では、存続会社が消滅会社の権利義務を引き継ぎ、通常は消滅会社の株主が対価を受け取ります。契約、承認、株主・債権者の保護を順に学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
吸収合併では、存続会社が消滅会社の権利義務を引き継ぎ、通常は消滅会社の株主が対価を受け取ります。契約、承認、株主・債権者の保護を順に学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
吸収合併では消滅会社の権利義務を存続会社が承継し、通常の対価は消滅会社株主へ交付する。双方の承認と法定保護を別々に確認する。
本稿は2026年4月1日時点の会社法によります。吸収合併では消滅会社の権利義務が存続会社へ承継されます。通常の対価の受取人は消滅会社そのものではなく消滅会社の株主です。誰が資産負債を引き継ぎ、誰が株式等を受け取るかを分けます。事業譲渡で財産を個別に移す取引と同じ構造ではありません。会計上の取得企業の判断とも別なので、存続という名称から会計処理まで自動的に決めない。
存続会社が株式会社である合併契約では749条に基づき当事会社の商号・住所、交付する金銭等、割当て、効力発生日などを定めます。対価は必ず存続会社の普通株式だけに限られるものではありません。対価の種類や株式の種類により承認条件が変わることがあるため、契約書を見ずに一般論だけで答えない。対価を定める事項と債権者へ公告する事項は別の段階であり、一つの一覧にまとめて同じ義務だと考えません。
通常の株式会社同士の合併では783条1項と795条1項により双方が効力発生日の前日までに株主総会で契約承認を受けます。原則の特別決議のほか、対価が持分会社の持分である場合等により厳格な条件があります。簡易・略式の省略もそれぞれの会社で要件を判断します。片方の株主全員が賛成したことを、相手会社の承認の代わりにはできません。契約を締結する取締役と承認する株主の役割も区別します。
750条1項は効力発生日の権利義務承継を定めるが、法定の債権者保護手続が未了である場合等には6項を確認します。契約に日付を書くだけで必要な手続の不足が解消するわけではありません。消滅による解散の第三者対抗については登記の規定もあります。新設合併で設立会社が成立する仕組みを、そのまま吸収合併の発効時点へ持ち込まない。予定日、手続終了、承継、登記のそれぞれの効果を順に示すことが大切です。
組織再編では、一つの契約について両当事会社の手続を別々に判断します。株主の承認、反対株主の買取請求、債権者の異議という三つの保護は、それぞれ権利者と目的が異なります。ある会社で株主総会を省略できても、相手会社の株主総会や債権者保護が当然に不要となるわけではありません。契約締結日、通知日、決議日、効力発生日、登記日も区別します。問題に例外を使う事実が示されていなければ、都合よく補って手続を省略せず、原則の要件を当てはめます。会計上の取得企業の判定と会社法上の存続会社の地位も別の問題です。
公認会計士短答式試験 / 企業法
吸収合併の契約と効力|承継先・対価受取人・承認
組織再編と事業譲渡
1. 会社法
デジタル庁 e-Gov
該当箇所: 749条、750条1・2・6項、783条1項、795条1項、309条2項12号
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