事業譲渡の承認|譲渡側と譲受側の規模基準
467条の承認対象は取引類型ごとに異なり、重要な一部の譲渡では総資産、全部事業の簡易譲受けでは譲受会社の純資産を基準にします。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
467条の承認対象は取引類型ごとに異なり、重要な一部の譲渡では総資産、全部事業の簡易譲受けでは譲受会社の純資産を基準にします。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
467条の承認対象は取引類型ごとに異なり、重要な一部の譲渡では総資産、全部事業の簡易譲受けでは譲受会社の純資産を基準にする。
本稿は2026年4月1日時点の会社法を前提とします。467条は事業全部の譲渡、重要な一部の譲渡、他社事業全部の譲受けなどに株主総会による契約承認を求めます。高価な設備を売っただけで当然に事業譲渡の条件をすべて満たすとはいえません。本稿の設例では取引が条文上の事業譲渡に当たることを明示し、その後の承認範囲を考えます。承認が必要な場合は効力発生日の前日までに受けます。会社が契約書を締結できることと株主承認を省略できることは別です。
重要な一部の譲渡について、譲渡資産簿価が法定方法による総資産額の5分の1を超えないものは467条1項2号から除かれる。定款がより低い割合を定める場合はその割合を確認します。総資産6,000万円で基準が5分の1なら、上限は1,200万円です。全部譲渡は同項1号であり、この重要な一部についての規模除外を当然には使わない。譲受側は同項3号の全部事業譲受けを確認し、一部譲受けのすべてを同号に含めません。
467条1項2号の2の子会社株式等譲渡では、譲渡簿価が総資産額の5分の1等を超えることと、効力発生日にその子会社の議決権の過半数を有しなくなることを組み合わせる。簿価が大きいだけでも支配を失うだけでも、この号の両条件を満たしたとはいえません。持株数と議決権数も常に同じとは限らないので、問題が示す議決権の情報を用います。あらゆる子会社株式の一部売却に同じ承認が必要と一般化しません。
468条2項では、他社事業全部の譲受対価簿価が譲受会社の法定純資産額の5分の1等を超えない場合の承認省略を定めます。譲渡側の総資産基準と分母が違う。一定の株主の適時の反対で承認が必要になる規定もあります。また特別支配会社を相手とする略式の例外は別の条件です。設例では相手方、会社規模、対価額、定款、反対通知をそれぞれ確認します。単に小さい取引だからという印象だけで承認不要と答えない。
組織再編では、一つの契約について両当事会社の手続を別々に判断します。株主の承認、反対株主の買取請求、債権者の異議という三つの保護は、それぞれ権利者と目的が異なります。ある会社で株主総会を省略できても、相手会社の株主総会や債権者保護が当然に不要となるわけではありません。契約締結日、通知日、決議日、効力発生日、登記日も区別します。問題に例外を使う事実が示されていなければ、都合よく補って手続を省略せず、原則の要件を当てはめます。会計上の取得企業の判定と会社法上の存続会社の地位も別の問題です。
公認会計士短答式試験 / 企業法
事業譲渡の承認|譲渡側と譲受側の規模基準
組織再編と事業譲渡
1. 会社法
デジタル庁 e-Gov
該当箇所: 467条1項1〜3号、468条1〜3項、309条2項11号
出典を開く