投資予算が限られる場合の選択|NPVと収益性指数
複数の投資案から予算内で組合せを選びます。収益性指数が高い順に選んでも、分割できない案件では最大のNPVにならない例を学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
複数の投資案から予算内で組合せを選びます。収益性指数が高い順に選んでも、分割できない案件では最大のNPVにならない例を学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
予算制約内で実行可能な投資案の組合せを比べ、NPV合計を確認する
複数の投資案がいずれも正のNPVを持っていても、投資予算に上限があれば、すべてを実行できない場合があります。このときは各案を単独で評価するだけでなく、予算内で実行できる組合せを比較します。
以下では各案件は全部実行するか実行しないかのいずれかで、一部だけ実行することはできないとします。案件間に収入や費用の相互影響はなく、必要収益率や収支の評価時点もそろっています。複数年の予算制約がある場合には、各年の資金需要も含めて検討が必要です。
Aの初期投資は600,000円、将来収入の現在価値は900,000円で、NPVは300,000円です。Bは初期投資500,000円、現在価値700,000円、NPV200,000円、Cは初期投資500,000円、現在価値690,000円、NPV190,000円です。
将来収入の現在価値を初期投資で割る定義の収益性指数は、A1.5、B1.4、C1.38です。Aを先に選ぶと残予算400,000円ではBもCも実行できず、NPV合計は300,000円です。一方、BとCを合わせると投資額1,000,000円、NPV合計390,000円で、A単独より90,000円高くなります。
何も行わない、A、B、C、B+Cは予算内です。A+B、A+C、A+B+Cは予算を超えるので除きます。実行可能な案の中でNPV合計が最大なのはB+Cです。単に指数が高い順に選ぶ方法では、予算の余り方を十分に反映できないことがあります。
収益性指数という名称には、NPVを初期投資で割るなど別の定義が用いられる場合もあります。指標名だけで比較せず、分子と分母を明示します。この例の1.5は、投資1円に対する将来収入の現在価値が1.5円であることを意味します。
Aを実行しないとBを実行できない、BとCは同じ市場を奪い合う、といった関係がある場合、単純なNPVの足算では比較できません。相互排他的な条件や、同時実行による収支変化を反映した組合せを作ります。
将来の追加投資が必要な案件では、初期支出だけで予算を使い切ると、後年の資金が不足する可能性があります。資金調達の上限、実行順序、事業運営に必要な手元資金も確認します。計算上の最大値を、そのまま実行可能な計画とみなさないようにします。
投資額を無視してNPVの大きい順に選ぶ、案件を自由に分割できると暗黙に仮定する、予算超過の組合せを残す誤りに注意します。少数の案件なら組合せを列挙すると見落としを減らせます。
同じ三案で予算が600,000円なら、実行できるのは各案の単独までです。最大のNPVはAの300,000円になります。予算条件が変われば、最適な組合せも変わります。
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