役員選任の決議要件|定足数をなくせない理由を条文で確認
役員を選任する総会では会社法341条の要件を確認します。普通決議の一般則をそのまま当てはめず、定足数の下限と賛成割合を整理します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
役員を選任する総会では会社法341条の要件を確認します。普通決議の一般則をそのまま当てはめず、定足数の下限と賛成割合を整理します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
役員を選任する総会では会社法341条の要件を確認します。普通決議の一般則をそのまま当てはめず、定足数の下限と賛成割合を整理します。
取締役などの役員は、原則として株主総会の決議で選任します。誰が選ぶかを確認した後は、どれだけの出席と賛成が必要かを調べます。役員の選任・解任の決議には会社法341条があり、309条1項の普通決議の一般則とは別に確認する必要があります。
ここでは通常の役員選任を扱います。種類株主総会による取締役等の選任や累積投票など、別の制度が問題となる場合は、その規定も確認します。また、会計監査人は会社法上の「役員」に含まれないため、用語だけで341条の対象へ加えないようにします。
341条の原則では、議決権を行使できる株主の議決権の過半数を持つ株主が出席する必要があります。定款で定足数を変更する場合でも、3分の1以上の割合で定めます。普通決議一般について定款の別段の定めを検討する場合と、許される緩和の範囲が異なります。
賛成割合は、出席した株主の議決権の過半数です。定款でこれを上回る割合を定めることができます。選任を容易にする目的で、賛成を3分の1へ引き下げるという変更は、341条が認める定款変更の範囲には入りません。
行使可能な議決権が900個ある会社で、役員選任の定足数を定款により3分の1とした場合を考えます。300個分の株主が出席すれば定足数を満たします。賛成割合について定款の別段の定めがなければ、出席300個の過半数である151個以上の賛成が必要です。
出席299個では、全員が賛成しても定足数を満たしません。出席300個で賛成150個の場合は、賛成の過半数要件を満たしません。人数や株式数を用いるのでなく、当該選任で行使できる議決権数を確かめて計算します。
341条の見出しには選任と解任の両方が現れますが、解任する役員の種類などにより、309条2項の特別決議が必要となる場合があります。例えば監査役の解任を、取締役の一般的な選任と同じ要件として処理してはいけません。
学習では、選任対象、決議機関、適用条文、定足数、賛成割合を一行ずつ書くと混乱を減らせます。条文に「役員」と書かれていることと、全ての役員についてあらゆる場面が同じ要件になることは別です。個別の特則を確認する習慣を付けます。
定款に「取締役選任の定足数を設けない」と書けば、341条の原則による選任について有効でしょうか。そのような定めは認められません。同条が定款で認める定足数は3分の1以上の割合です。定款の記載があるだけで法律上の下限がなくなるわけではありません。
公認会計士短答式試験 / 企業法
株式会社の機関と役員の基本を説明し、問題に答える
株式会社の機関と役員
会社法
会社法 第329条第1項、第341条、第309条第2項
1. 会社法(e-Gov法令検索)
デジタル庁 e-Gov
該当箇所: 会社法 第329条第1項、第341条、第309条第2項
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