会社法327条|公開会社等に設置が義務付けられる機関
会社法327条は、公開会社などに取締役会を必置とし、取締役会・監査役・会計監査人・委員会型機関の組合せを定めます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年10月24日
情報を確認した日:2026年10月28日
会社法327条は、公開会社などに取締役会を必置とし、取締役会・監査役・会計監査人・委員会型機関の組合せを定めます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年10月24日
情報を確認した日:2026年10月28日
原文から要件・効果までの読み順
法令上の文言をそのまま確認します
法令本文
次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない。 一 公開会社 二 監査役会設置会社 三 監査等委員会設置会社 四 指名委員会等設置会社 2 取締役会設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 ただし、公開会社でない会計参与設置会社については、この限りでない。 3 会計監査人設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。 4 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、監査役を置いてはならない。 5 監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社は、会計監査人を置かなければならない。 6 指名委員会等設置会社は、監査等委員会を置いてはならない。
条文の意味を平易な言葉で整理します
327条は機関の組合せを強制する条文です。取締役会、監査役、会計監査人、委員会型の関係を会社類型ごとに判定します。
この規定が置かれている理由
会社の公開性と経営規模に応じ、業務執行の合議・監督と会計監査の最低水準を確保する規定です。複数の監査モデルが混在しないよう組合せも規制します。
株式会社の機関を考えるときは、326条の選択肢を確認した後、327条で会社類型に応じた義務と禁止を重ねます。さらに大会社なら328条を確認します。一つの条文の例外に当てはまっただけで、ほかの条文から生じる義務までなくなるわけではありません。
公開会社は上場会社と同義ではなく、定款の譲渡制限の定めに基づく会社法上の区分です。公開・非公開、大会社かどうか、委員会型かどうかを別の欄へ書いてから機関を判定すると、条件の取り違えを防げます。
条項 | 義務・禁止 | 読むときの注意 |
|---|---|---|
1項 |
公認会計士短答式試験 / 企業法
株式会社の機関と役員の基本を説明し、問題に答える
株式会社の機関と役員
公認会計士短答式試験 / 企業法
会社法327条
株式会社の機関と役員
会社法 取締役会等の設置義務等
第327条
1. 会社法(e-Gov法令検索)
デジタル庁 e-Gov
該当箇所: 第327条第1〜6項、第326条、第328条。公開会社の定義は第2条第5号。
出典を開く非公開でも監査役会を置けば取締役会が必要 |
2項 | 非委員会型の取締役会設置会社は原則監査役が必要 | 非公開の会計参与設置会社には例外 |
3項 | 非委員会型の会計監査人設置会社は監査役が必要 | 2項の会計参与の例外とは別の義務 |
4・5項 | 二つの委員会型は監査役を置かず、会計監査人を置く | 監査役を追加すればよいという構成にしない |
6項 | 指名委員会等設置会社は監査等委員会を置かない | 二つの委員会型を併用しない |
会社の類型 | 取締役会・監査機関の基本 | 会計監査人 |
|---|---|---|
非公開・非大会社・非委員会型 | 取締役会は任意。設置すれば原則監査役、会計参与の例外あり | 原則として任意。置くなら327条3項も確認 |
公開・非大会社・非委員会型 | 取締役会と原則監査役 | 328条だけでは必置とならない |
非公開・大会社・非委員会型 | 会計監査人設置に伴い監査役が必要。監査役会は必置ではない | 必要 |
公開・大会社・非委員会型 | 取締役会・監査役会が必要 | 必要 |
監査等委員会型・指名委員会等型 | 取締役会と各委員会。監査役は置かない | 規模・公開性によらず必要 |
この表は義務関係を整理するためのものです。個々の機関の人数、社外役員、資格、選任等の要件は別に確認します。「原則として任意」は、設置後にほかの機関の義務を生じさせないという意味ではありません。
非公開・非大会社で、委員会型ではないA社が、取締役会と会計参与を置くとします。会計監査人は置きません。この場合、327条2項ただし書により、取締役会を置いたことだけから監査役を必置とする扱いの例外に当たります。
ところがA社が会計監査人も置くと、327条3項によって監査役が必要になります。2項ただし書に「会計参与があるから監査役不要」とだけ書き込むと、3項の義務を落とします。機関を一つ追加したら、ほかの機関との組合せも再確認します。
A社が最終事業年度の貸借対照表等による判定で大会社となった場合、非公開のままでも328条2項により会計監査人が必要です。非委員会型であれば、327条3項から監査役も必要になります。会計参与を置いていることは、この流れを止めません。
一方、非公開大会社というだけで監査役会まで必置になるわけではありません。会計監査人、監査役、監査役会はそれぞれ別の機関です。監査役が必要という結論を、監査役会が必要という結論へ読み替えないようにします。
監査等委員会設置会社と指名委員会等設置会社では、取締役会、各委員会、会計監査人という構成を確認します。これらの会社は監査役を置けません。「監督を厚くするため」という理由でも、法律が禁止する機関の組合せにはできません。
監査等委員会と、指名・監査・報酬の各委員会を持つ指名委員会等設置会社の仕組みも区別します。監査に関係する委員会という名前が似ていても、同じ制度ではありません。
問題1:非公開会社が監査役会を任意に置いた場合、取締役会も必要ですか。解答は必要です。327条1項は、公開会社以外に監査役会設置会社も対象としています。
問題2:非公開の会計参与設置会社が会計監査人を置く場合、2項ただし書だけで監査役を省けますか。解答は省けません。非委員会型であれば3項の義務が別に生じます。
問題3:監査等委員会設置会社が、念のため監査役も追加することはできますか。解答はできません。4項の禁止と5項の会計監査人の義務を対で確認します。