取締役と代表取締役の権限|機関設計から代表者を判断する
取締役であれば全ての会社で自由に代表できるわけではありません。取締役会の有無、代表取締役の選定、権限の範囲を順に確認します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
取締役であれば全ての会社で自由に代表できるわけではありません。取締役会の有無、代表取締役の選定、権限の範囲を順に確認します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
取締役であれば全ての会社で自由に代表できるわけではありません。取締役会の有無、代表取締役の選定、権限の範囲を順に確認します。
会社が契約を結ぶとき、誰の行為が会社の行為となるかが代表の問題です。会社内部で何をするかを決める業務執行の決定と、外部との関係で会社を代表することは分けて考えます。同じ者が関わっていても、検討する権限の種類が異なります。
ここでは、指名委員会等設置会社を除く通常の株式会社について、会社法349条と362条を中心に確認します。指名委員会等設置会社の代表執行役など、別の機関設計では対応する特則を確認する必要があります。
349条の原則では、取締役は会社を代表し、取締役が複数いれば各自が代表します。ただし、別に代表取締役など会社を代表する者を定めた場合は、その取扱いが変わります。取締役会を置かない会社でも、取締役全員が常に代表できると断定してはいけません。
取締役会を置かない会社は、定款、定款の定めに基づく取締役の互選、または株主総会の決議により、取締役の中から代表取締役を定めることができます。誰を代表者にするかだけでなく、どの根拠と方法で定めたかを確認します。
通常の取締役会設置会社では、取締役会が代表取締役を選定しなければなりません。株主総会による取締役の選任と、取締役会による代表取締役の選定は別の段階です。株主総会で取締役になったというだけで、直ちに代表取締役になったわけではありません。
取締役会には、業務執行の決定、取締役の職務執行の監督、代表取締役の選定と解職などの職務があります。代表取締役に日常の業務を任せるとしても、法律上取締役に委任できない重要な業務執行の決定がある点にも注意します。
代表取締役Aに対し、会社内部で「一定額を超える契約には取締役会の事前承認を要する」と定めていたとします。この社内の制限と、外部の相手方に対して会社が契約の効果を否定できるかは分けて検討します。
349条5項は代表権に加えた制限を善意の第三者へ対抗できないと定めます。ただし、重要な財産の処分に必要な取締役会決議を欠く場合など、別の論点が重なる事案では、その検討も必要です。社内規則違反だから契約は常に無効、と一つの理由で結論を出さないようにします。
取締役会設置会社の取締役Bは、株主から多くの支持を受けて選任されました。この事情だけで会社を代表できるでしょうか。その事情だけでは判断できません。代表取締役として選定されているか、当該行為にどの代表権・代理権があるかを確認します。株主総会での支持と外部に対する代表権を区別します。
公認会計士短答式試験 / 企業法
株式会社の機関と役員の基本を説明し、問題に答える
株式会社の機関と役員
会社法
会社法 第349条、第362条
1. 会社法(e-Gov法令検索)
デジタル庁 e-Gov
該当箇所: 会社法 第349条、第362条
出典を開く