設備更新と古い設備の簿価|埋没原価と売却収入
設備を買い替えるとき、旧設備の簿価と現在の売却収入を区別します。税金を無視する比較と、税効果を考慮する比較で扱いが変わる点を学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
設備を買い替えるとき、旧設備の簿価と現在の売却収入を区別します。税金を無視する比較と、税効果を考慮する比較で扱いが変わる点を学びます。
執筆:LavaCount執筆者チーム
解説の対象時点:2026年4月1日
情報を確認した日:2026年10月26日
最初に押さえる結論と判断規範
更新による差額支出=新設備取得支出−旧設備の現在売却収入 旧設備の簿価は税金を無視すれば直接の将来支出にならない
旧設備の取得に使った金額は既に支払われており、今日の更新判断を変えても取り戻せません。帳簿に残っている簿価も、その金額を更新時にもう一度支払うことを意味しません。一方、今売れば受け取れる代金は、保有を続けると受け取れなくなる将来の収入なので、比較へ関係します。
ここでは税金と資金の時間価値をいったん無視し、同じ3年間で設備を使う二つの案を比較します。どちらの設備でも売上高と製品品質は同じとし、3年後の売却額は両方とも0円と仮定します。会計上の売却損益と、現金支出の有利不利を区別するための例です。
旧設備は現在150,000円で売却でき、今後の運転費は年500,000円です。新設備の取得支出は900,000円、運転費は年200,000円です。更新すると、取得時点の正味支出は900,000円−150,000円=750,000円となります。
運転費の削減は年300,000円、3年間で900,000円です。時間価値を無視した差額は900,000円−750,000円=150,000円となり、更新案が有利です。旧設備の簿価600,000円をさらに更新案の支出へ足してはいけません。
継続案の今後3年間の支出は500,000円×3年=1,500,000円です。更新案は900,000円の取得支出、150,000円の売却収入、600,000円の運転費なので、正味支出は1,350,000円です。差は150,000円で、差額計算と一致します。
更新時に旧設備を売れば、会計上は売却価額150,000円と簿価600,000円の差として450,000円の売却損が生じます。しかし、税金を無視しているこの比較で、その売却損を現金支出として追加すると二重計上になります。
税金を考慮する場合には、簿価と売却価額の差が課税所得へ影響し、税額の増減を通じてキャッシュ・フローに関係することがあります。そのときも簿価全額を支出にするのではなく、適用される税務上の取扱いと税額の変化を計算します。
また、年300,000円の削減は将来の各年に発生するため、割引率が正なら現在価値は合計900,000円より小さくなります。初年度に得られる金額と3年後の金額を同じ重みで足すだけでは、現在価値による採算判断にはなりません。
売却損と売却代金を同時に支出として入れる、旧設備を保有すると得られない売却収入を見落とす、比較期間を新旧で変える誤りに注意します。
旧設備の現在売却額が50,000円なら、更新時の正味支出は850,000円です。同じ運転費削減900,000円なら、時間価値と税金を無視した更新の有利額は50,000円です。簿価が変わらなくても売却可能額が変われば判断材料は変わります。
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公認会計士短答式試験 / 管理会計論
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