定率法による減価償却費の計算|償却保証額と改定償却率
200%定率法を中心に、期首未償却残高、償却保証額、改定取得価額、改定償却率を使って各年度の減価償却費を計算します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
情報を確認した日:2026年10月28日
200%定率法を中心に、期首未償却残高、償却保証額、改定取得価額、改定償却率を使って各年度の減価償却費を計算します。
執筆:LavaCount執筆者チーム
情報を確認した日:2026年10月28日
通常の減価償却費 = 期首未償却残高 × 償却率
期首未償却残高 = 取得原価 - 期首減価償却累計額
償却保証額 = 取得原価 × 保証率
改定償却額 = 改定取得価額 × 改定償却率
通常の減価償却費 = 期首未償却残高×償却率
期首未償却残高 = 取得原価−期首減価償却累計額
償却保証額 = 取得原価×保証率
通常の減価償却費が償却保証額を下回る年度から、次の式を使います。
改定償却額 = 改定取得価額×改定償却率
改定取得価額は、切替年度の期首未償却残高です。一度切り替えた後は、原則として同じ改定取得価額を基礎にします。
定率法では、通常は期首の未償却残高へ償却率を掛けます。200%定率法の設例では、償却保証額との比較によって計算の基礎が変わるため、年度ごとに同じ式を繰り返すだけでは解けません。
定率法は、毎期の期首未償却残高に一定の償却率を掛ける方法です。帳簿価額が大きい初期ほど償却費が大きく、その後は小さくなります。
200%定率法では、通常の計算を続けるだけでは耐用年数の終了時に未償却残高が残る場合があります。そのため、通常の償却額が取得原価に保証率を掛けた償却保証額を下回る年度から、改定償却額へ切り替えます。
償却率、保証率、改定償却率は、このページでは問題文で与えられるものとして計算します。税務上の適用可否や法定耐用年数を判定するページではありません。
次の条件で、各年度の減価償却費と期末帳簿価額を求めます。
数値を変えて確かめる
公認会計士短答式試験 / 財務会計論
減価償却の基本を説明し、問題に答える
減価償却
公認会計士短答式試験 / 財務会計論
定率法
減価償却
端数処理各年度の計算ごとに、問題文の端数処理指示に従う。最終年度は残存価額または残存簿価の条件を下回らないよう減価償却費を調整する。
補足償却率・保証率・改定償却率は百分率と小数を混同しない。年額を月割する場合は使用月数を12か月で割る。
項目
条件 |
|---|
取得原価 | 600,000円 |
耐用年数 | 5年 |
残存価額 | 0円 |
200%定率法の償却率 | 0.400 |
保証率 | 0.10800 |
改定償却率 | 0.500 |
期中取得ではなく、各年度を通じて使用したものとします。
償却保証額 = 600,000円×0.10800 = 64,800円
減価償却費 = 600,000円×0.400 = 240,000円
期末帳簿価額 = 600,000円−240,000円 = 360,000円
減価償却費 = 360,000円×0.400 = 144,000円
期末帳簿価額 = 360,000円−144,000円 = 216,000円
通常の減価償却費 = 216,000円×0.400 = 86,400円
86,400円は償却保証額64,800円以上なので、通常の減価償却費を採用します。
期末帳簿価額 = 216,000円−86,400円 = 129,600円
通常の減価償却費 = 129,600円×0.400 = 51,840円
51,840円は償却保証額64,800円を下回ります。この年度の期首帳簿価額129,600円が改定取得価額です。
改定償却額 = 129,600円×0.500 = 64,800円
期末帳簿価額 = 129,600円−64,800円 = 64,800円
改定償却額 = 129,600円×0.500 = 64,800円
期末帳簿価額 = 64,800円−64,800円 = 0円
年度 | 計算方法 | 減価償却費 | 期末帳簿価額 |
|---|---|---|---|
第1年度 | 通常の定率法 | 240,000円 | 360,000円 |
第2年度 | 通常の定率法 | 144,000円 | 216,000円 |
第3年度 | 通常の定率法 | 86,400円 | 129,600円 |
第4年度 | 改定償却率 | 64,800円 | 64,800円 |
第5年度 | 改定償却率 | 64,800円 | 0円 |
全年度の減価償却費を合計します。
240,000円+144,000円+86,400円+64,800円+64,800円 = 600,000円
取得原価600,000円から残存価額0円を差し引いた要償却額と一致します。
毎年度、取得原価へ償却率を掛ける。
償却保証額を前年度の帳簿価額から計算する。
通常の償却額と償却保証額を比較せず、最初から改定償却率を使う。
切替後も毎年度の期首帳簿価額を改定取得価額にする。
「下回る」と「以下」を取り違える。
最終年度の端数調整をせず、残存価額を超えて償却する。
200%定率法と250%定率法の償却率を混同する。
切替えを判断する額と、切替え後に償却を計算する額を別に記録します。改定取得価額を使う条件に入った後も、毎期の残高へ通常率を掛け続けないようにします。税法の償却限度額を用いる設例と、会計上の見積りによる償却を区別します。
取得原価300,000円、耐用年数3年、残存価額0円、償却率0.667、保証率0.11089、改定償却率1.000です。円未満は四捨五入します。
各年度の減価償却費を求めてください。
取得原価800,000円、耐用年数5年、残存価額0円の資産について、問題文が250%定率法を指定しています。定額法の償却率は0.200であり、保証額による切替は考慮しないものとします。
第1年度と第2年度の減価償却費を求めてください。
償却保証額 = 300,000円×0.11089 = 33,267円
第1年度は次のとおりです。
300,000円×0.667 = 200,100円
第2年度は、期首帳簿価額99,900円へ償却率を掛けます。
99,900円×0.667 = 66,633.3円 → 66,633円
第3年度の期首帳簿価額は33,267円です。
通常の償却額 = 33,267円×0.667 = 22,189.089円
通常の償却額は償却保証額33,267円を下回るため、改定償却率を使います。
改定償却額 = 33,267円×1.000 = 33,267円
したがって、各年度の減価償却費は200,100円、66,633円、33,267円です。合計は300,000円です。
250%定率法の償却率を先に求めます。
償却率 = 0.200×250% = 0.500
第1年度 = 800,000円×0.500 = 400,000円
第2年度の期首帳簿価額は400,000円です。
第2年度 = 400,000円×0.500 = 200,000円
250%法を指定された場合に、200%法の0.400を使わないことが重要です。
期中取得の場合は、通常または改定後の1年分の減価償却費を、問題文で指定された使用月数で月割します。月数の数え方は問題文の条件に従います。
改定償却率が与えられない問題では、通常の定率法による額と、期首未償却残高を残存耐用年数で割った額を比較する型があります。どの計算条件が与えられているかを確認してください。
本例題は残存価額0円の学習条件です。法人税法上は通常、備忘価額1円を残す取扱いがあるため、税務の計算と区別してください。残存価額を1円残す条件がある場合は、最終年度に減価償却費を調整し、帳簿価額をその金額より下げません。
定率法は、期首未償却残高に償却率を掛けます。200%定率法では、通常の償却額が取得原価に保証率を掛けた償却保証額を下回る年度から、切替年度の期首帳簿価額を改定取得価額として改定償却率を使います。最後に減価償却費の累計が要償却額と一致するか確認します。
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